SHORT STORY

□やっぱりコワイヒト。
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『ははっ…は、』

「そんなに咬み殺されたいの?」




笑ってごまかせるならごまかしてみたい。





遠くに見える出口。

辿り着くには、この風紀委員長の目の前を通り過ぎなければならない。


"スカート長すぎ。"


そんな理由でこうしてジリジリと追い詰められているわけで。

確かにいつも先生から注意を受けていたんだけど、毎回ごまかして逃げていた。
でも、この人から逃げられるわけもないよなーと思う。


雲雀恭弥。

その名を聞けば、泣く子も黙る…かもしれない。


それほどコワイヒトらしいんだ、彼は。

ま、あたしは知らないんだけどね。
まだ喋った事が無かったから。




「…何黙ってるの?」

『いや…何でも』

「…で?」

『?で、って…?』

「今自分でスカート切るか、僕に咬み殺されるか、どっち?」


ええ、どっちもお断りしたいですけど。

…だって今切るってありえない!
それこそ風紀の乱れだ!!
せめて家でミシンとかも使わせてくださいよ風紀委員長!!!



『あの、』

「…何」

『あっ!!UFOが!!』

「咬み殺されたいんだね、わかったよ」













やっぱりコワイヒト。

(誰か助けてくださいマジで)





「…これから一年間、風紀委員の雑用するなら助けてあげてもいいけど」

『そんなの絶対イヤです』

「だったら咬み殺『あぁぁ嘘です、やりますスイマセン!!』

「僕に嘘ついたの?やっぱり咬み殺『ごめんなさいもう嘘なんてつきませんからァァァァ!!!』





(何でこんなことに…っ。


…あ、スカートの丈が長かったからか。)







END

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