まんが日本昔ばなし
□命びろいした犬
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ある家に年とった犬が居ました。もう年なのでほとんど寝てます。
しかし飼い主夫婦はろくに働かない犬を山に捨てるか殺すかと物騒な話をしました。
そんな話を聞いた犬は、山に住んでいる年とった狼に相談します。
狼は
「だったら俺がお前の飼い主の子供をさらうから、お前は俺を追いかけて来て子供を連れて帰れ。そうしたらお前は子供を救ったということになるだろ」
と助言。
後日、狼との打ち合わせどおりに事は進み、犬は飼い主夫婦の子供を救ったヒーローとして可愛がられます。
更に後日、狼がやってきて
「この間の礼をもらいに来た。鶏一羽でいいぞ」
と言って来ます。
犬は
「それは無理じゃ」
と断ると狼は怒り出して
「この間助けたのを忘れたのか!だったら明日山ん中に来いや、分かったな?」
と去っていきます。
犬も狼に恩があるのでしょうがない、と諦めますが、同じ家に飼われている猫がその様子を見ていて、犬から事情を聞くと
「あたしに任せろ」
と言います。
次の日、狼は鬼を連れ行き犬をとって食おうとします。
しかし早くついてしまったので鬼と狼は横になって待つことに。
犬は
「もう駄目だ・・・」と猫を連れてトボトボと約束の場所へと向かいます。
すると猫は草の茂みにネズミのようなのを見つけ、飛びついてかじりました。
びっくりしたのは鬼です。
なんと、猫がかじりついたのは鬼の耳だったのです。
鬼は
「犬に食われたー!だから犬は好かんのじゃ!」
と言いながら逃げていき、狼もそれにつられて逃げていきます。
こうして犬は無事にそれからも過ごせたんだとさ。
以上、元ネタはグリム童話でした。