お話
□ミニスカポリスは夢か幻か
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「――― てか、なに?
解説の『パラレる』て、普通にパラレル物ですって言っとけよ・・・」
呆れたような 少年の声。
「いやぁ、アレですよ。焦鶏もアレですからね。ありきたりな言葉は避けるべきだと思ったんですよ」
応えるのは 艶のある、感情の読みにくい声。
「待て。思い出せ、前回を。何か良さげなカンジに言ってなかったか?
『ありきたりな言葉の何が悪い』的な・・・」
心底、呆れたような 少年の声。
「時と場合によりけりですよ」
応えるのは 艶のある、年齢の判りづらい声。
「うわぁ・・・」
心底、呆れかえった 少年の声。
「大体、このタイトルですよ?まともに解説なんて・・・恥ずかしくてやってられないのでしょう」
応えるのは 艶のある、本音が読めない声。
「・・・そんなの、載っけんなよ…」
心の底から、呆れかえった 少年の声。
そんな、ごもっともな会話が交わされたのは・・・・・『タイトル・解説』と『本編』の狭間であったとか・・・。
――― 其処は、
きっと何処かに在る。
寂れた・・・?
いいえ、シンプル・いず・ベスト その名も素敵、『喪野苦露 商店街』――
今日もみんなの元気な声が木霊する。
「あっ!昶ー!!」
「何してんだ、賢吾?」
「この 寂れた商店街に人を呼び込むのさっ!」
何処までも元気よく返すのは、商店街のマスコットキャラクター・ケンちゃん。
「だからって、何で『本物の食い倒れ人形』的な事やってんだ?
何だ、その明らかな伊達眼鏡と太鼓。涙が出るわ」
「いえ、昶君。食い倒れ人形は『人形』が既に本物なんですよ?」
「どうでも良いよ、うっせぇよ!」
商店街の入り口で口論するのは『不良高校生』の昶と、『超時空レベルで怪しいセールスマン』白銀だった。
「・・・俺達はまんまなのか・・・?」
「私、まんまだと『こう』なるんですか?」
其処へやって来たのは・・・
「あ、劉さん!」
商店街から最寄りの派出所勤務のお巡りさん。
「待て、何だその『りょーさん』的な・・・!?」
「いや、『りゅーさん』だ」
きちっと制服に身を包み。何故か自転車の後ろに子猫を乗っけた、劉黒だった。
「劉さんは、お巡りさんなんだよ。良いよなぁ・・・」
「そりゃ、まぁ。今のお前と比べたら、大抵の奴は良い身分なんじゃね?」
昶が何処か呆れたように呟くと、白銀も何処か疲れたようにコメントする。
「私も言ったんですよ?『どうせやるならミニスカポリスで・・・』と。
て、あっ痛いですよ。昶君?イタッ・・・ちょっ・・イタイですってっ。三角定規の鋭い方でつつくの止めて・・あイタッ」
「偉いな、昶。ちゃんと そういう勉強道具も持ち歩いてるんじゃないか」
「・・・高校の授業で三角定規 使うっけ?」
にこにこ笑う劉さんと、首を捻るケンちゃん。
「・・・ああ、痛かった。駄目ですよぅ?こういう事をしては・・・。
ハマってしまった時の事も考えないと・・・(ボソリ)」
白銀の影が 濃くなった と他の三人は感じた。
「あ。あっちの方に洸のいる店が在るぞ?
行ってみたらどうだ、昶?」
今、思い出したと言う様に 商店街の奥の方を指差す劉黒。
「洸兄の?」
「それが良いよ!行ってきなよ、昶!」
「そうだな、行ってくる」
賢吾にも後押しされて、サクッと劉黒のおすすめを採用する昶。
もう、振り向く事はない。
「ああっ!待って下さい!?置いてかないでっ!無視しないでぇっ!!」
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