お話

□酒に呑まれた…
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「なんて事を・・・!!」



人の造った『酒』を初めて飲んだ、其の終わり。

私は自分が犯した大罪の 『証』を目にして

そう嘆く。

そう 嘆くしか 無かった。













私は、なんと愚かな事をしてしまったのだろう・・!

今、此の手には『油性マーカー・黒』なる物が握られている。

そして、此の目の前には間違い無く、其のマーカーで書かれたのだろう落書きがある。








白銀の寝顔の上に。




それも、彼の白い額に・・。




やはり、白に黒は映えるな













どうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう・・・

どうしたら良いんだ・・!?

綺麗に、出来るだろうか?


そういえば、洸が此を初めて見せてくれた時・・・

「ほらっ!見て、劉黒!
コレ、『油性マーカー』っていってね?
コレで書くと・・落ちないよ〜?・・・なっかなかね!」


「・・・・・・っ・・・!!」


駄目だっ・・!
第一 今はぐっすり眠っていても、何時起きるのか解ったものでは無い!!
無かった事にする為にと、下手に洗って 其の途中で白銀が目覚めたりしたら・・

危険過ぎる・・!!

・・・・・・『肉』と書いたら笑ってくれただろうか?
いや、無いな。
其れは無い。

しかし 白銀だって悪いのだ。
酒に酔っ払った彼はやたらと絡んできた。私を指でつついて、私の頬を伸ばして、私の髪の毛を引っ張ってきて。

とにかく意地悪だったのだ。
・・・何時もより1,5倍(当社比)程。

しかし彼は私をおいて先に寝付く事になった。
突然ぱたりと倒れてそのまま寝息をたてている。

其の寝顔を見ている内に、何時の間にやら私の手には・・・此の『悪魔の筆』が・・!!

魔が差したんだ。

嗚呼っ 私は一体どうしたら・・・!?







暫くの間悩んだ末に・・・

劉黒は思い付く限り、出来得る限りの事を為して



其の直ぐ後に、突然の睡魔に襲われて、そのまま寝た。

『大罪の証』の直ぐ隣で












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