キマグレ悪魔
□真田の星間飛行!
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「あれ、真田副部長まだ残ってたんスか?」
部活後の帰路で忘れ物に気付いた赤也は部室まで引き返し、一人部室に残っていた真田に声をかけた。
「ああ、丁度今帰る所だ。お前は何の用だ?」
「俺は忘れ物を取りにきたんスよ」
「忘れ物をするなど、たるんどる証拠だ!気を引き締めんか!」
相変わらず厳しい説教に内心舌打ちをしつつ、ロッカーに置き忘れた写真を素早く抜き取り、おもむろに写真にほお擦りをした。
「なんだそれは」
「柳さんの写真っス、はぁー柳さぁーん」
「気色悪いぞ!やめんか赤也!」
「ちなみにこの写真はオカズにするために隠し撮りしたんスよ」
「聞いておらんわ!いいから帰るぞ!」
真田は半ば強制的に赤也を引きずり出し、部室の鍵をしめた。
「では俺は職員室に鍵を戻しにいく。お前は真っ直ぐ帰るのだぞ」
「勿論スよ、早く帰ってオナニーするんで!」
「聞いとらん!」
二人は部室前で別れた。
と、その時…
「や、やめんかーッ!」
赤也の背後で真田の雄叫びが響き、慌てて振り向くとそこには異様な光景が広がっていた。
「さ、真田副部長が…UFOに吸い込まれてる…!」
夜空に不気味に浮かぶ巨大な宇宙船…そしてそれになすすべもなく吸い込まれていく真田の姿…
赤也は目の前の出来事が理解出来ず、ただ呆然と立ち尽くすのだった。