novel

□ささのはさらさら
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七夕から数日経ったある日のこと。

俺と境が談話室で話していると、ドアが開いて寮母のおばさんが顔を覗かせた。
「あ、東口君、荻原君。今暇かしら?」
「今日も今日とて予定がない暇人二人組でーす。ひとまずコンビニ行った他三人が帰ってくるまでは暇ですけど、どうかしたんですかー?」
「玄関の所に笹が飾ってあるでしょ?七夕からもう随分日が経っちゃってるし、申し訳ないけどあれ片付けてほしいのよね」
「えー、俺達がですかー!?」
境の不満そうな声に、おばさんは申し訳なさそうに笑って「おばさん今日腰が痛くてねえ」と笑う。
「そのかわり、やってくれたらジュースあげる」
「安っ!でもまあいいか、ちょうど暇してたし。なあ、愁里?」
「まあな、人助け人助け。ってわけで引き受けました」
「あら、本当?じゃあ、終わったら管理人室に来てちょうだいね」
そう言っておばさんはドアを閉め、俺と境はソファーから重い腰を上げた。
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