Novel = short=

□◇そばにいるだけで
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どんなに言葉を交わしても


どれだけ触れ合っても


満たされることなく、次々に湧き上がる欲望。


全部この、鈍感な恋人のせい。




『そばにいるだけで』




いつものように授業をサボり、屋上に居座っている俺と賢吾。

ただ一つ、いつもと違うことがあった。


「…ん…ふっ…ぁ…」

「……もう少し口開けろ」

「…んっ…あ、き…ら…」

いつもみたく雑談してたら、まあ恋人だから…それとなくそういう雰囲気になったわけで。

お互いに地面に座り込んだまま、俺は賢吾を抱き寄せ、奴に深く口付けて口内を舌で犯す。

逃げられないようにしっかり腰をホールドして。

「んぅっ…はふっ……」

舌を絡ませると、賢吾は拙いながらも必死についてきてくれて……息苦しさと気持ちよさが入り交じったような、軽く俺の理性を吹っ飛ばしそうな程甘い声が賢吾の口から度々漏れる。

湿った水音が聴覚を犯し、目の前のこいつの事しか考えられない。

一度口を離すと、名残惜しそうに俺達の唇を銀色の糸が繋いだ。
賢吾が荒く呼吸するのを確認してから再び唇を奪う。

「んぅっ!…ふぅっ……あく…!」

より深く貪ると、俺の制服を掴んでいた賢吾の手に力が篭る。
そうすることで、迫る快感に耐えているようだった。

賢吾は頬を赤く染め、与えられる快楽に浮かされてトロンとした顔をしている。


…やばい…もたない…。


前が開いた賢吾の制服の中に手を入れ、緑色のTシャツをたくしあげようと手をかけた時。
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