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*hp ヴォルデモート卿


「そういや卿、知ってる?ホグワーツって今夏休みなんだってさ。」

「ほう、貴様にも時期を理解する能力があったか。」

「このクソ暑い時期に真っ黒なローブ来てる卿に言われたかないですよ。季節感ちょうムシじゃん。まるごとスルーしてんじゃん。こないだ熱中症で倒れたクセに。」

「魔法がかかってるに決まっているだろう。それにあれは熱中症ではない。」

「あぁ更年期障害ってやつ?…って、え?なにそれ何一人だけ涼んじゃってるわけ?ズルい!ズッこい!あたしにもその魔法かけて!」

「よし、かけてやるからそこに直れ。しかしなにぶん更年期障害だからな。手元が狂って残念なほどに体温が下がってしまうやもしれん。」

「やっだ卿に限って更年期障害なんてありえないっスよー!まだまだお若いじゃないっスかー!いよっ若作り!!」

「……お前はもう一度言葉と言うものを一から学び直してこい。」

「えー卿のくれた翻訳機があるからいいよー。」

「俺様の力を以てしても貴様の馬鹿はどうしようもないということだ。」

「ああ、なるほどね。イラッときたよ。」

「分かったらもう下がれ。邪魔だ。」

「卿は歯に衣着せて物を言うってことを学ぶといいと思うよ。」

「貴様の口から歯に衣着せるなどという言葉が出るとは驚きだな。サルも一応は進歩しているというわけだ。…しかしこの俺様に意見するなど不愉快だ。失せろ。」

「っとにこの俺様ヤローが…だから、夏休みなんだってば!」

「だからどうしたというのだ。」

「ハァ…ガッカリっすよこの真っ黒ハゲ…」

「事実を踏まえた上で発言しろ。俺様は禿げてなどおらん。」

「安心しろよ卿がハゲることはもう決まってるから。…だから卿、海連れてって。」

「…………」

「ちょ!待って待って杖おろして!!そうやってなんでもかんでも死の呪文で解決しようとするのは卿の悪いクセだよ!!」

「人のことをハゲだの更年期障害だのと言い捨てた奴が海に連れてけと…?」

「うん、それはあたしも悪かった!ごめんね。海がダメならイギリス観光でもいいよ。モンサンミッシェルとか見てみたい。」

「それはフランスだ大馬鹿者め。大体なぜ俺様が貴様なんぞを行楽に連れていかねばならんのだ!俺様は忙しいのだ!貴様に構ってる暇などない!」

「ひっど!!卿が勝手にあたしをこっちに来させたクセにその責任を放棄するわけ!?夏休みに海に連れてくのは保護者の勤めでしょうがー!!」

「誰が貴様の保護者だ!……いや、待てよ……。」

「……………卿?」

「……ふむ、よかろう。海に連れていってやる。」

「ホント!?」

「あぁ勿論だ。貴様もたまには外へ出してやらねば哀れだ。」

「上から目線だけど卿が優しいって気持ち悪いね!でもありがとー卿!!」

「明日の朝、出発するぞ。」

「やった!卿だいすき!!じゃあ準備してくるねー!」



ドタドタドタ……



「………ふん、バカな奴め。」





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拍手ありがとうございました!

この話は本編第8話に続きます。
お楽しみに!



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