短編小説3

□携帯灰皿
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毎日毎日、そんな仏頂面で過ごして人生楽しいか?

ああ、楽しくないから仏頂面してんのか。

そう言って笑うその人は。
いつもいつも笑っているその人は、口を一文字に引き結ぶ私の頭をぐしゃぐしゃと掻き混ぜる。

「騙されたと思って、ちょっとの間だけでも良いから微笑んで生きてみろ」
「……なんで」
「そうすりゃな、世界もお前に微笑むぞ」

人生、楽しいぞー。

そう言って笑ったその人の笑顔。
それは『騙されても良いかな』と思えるくらいにキラキラしていて。

私は小さく、笑ってしまった。
















『The world laughs with you』
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