短編小説4
□それを言っちゃあ御終いよ
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私には年下の彼氏が居る。
名前を長谷川大地という、ぴちぴち高校生の可愛い少年。
かく言う私は、高校を卒業し、働き始めてもう3年目。
成人も済ませた女が何やってんだろ、って思うけど仕方がない。
短く切られたふわふわでミルクティー色の猫っ毛。
発達途中の、それでもがっしりとし始めた体を包む学ラン。
誰もが振り返る、綺麗な顔。
甘すぎず、男っぽすぎず。
爽やかが服を着て歩いているような彼に、あんなに熱心に口説かれれば、頷かない女なんて居ないだろう。
……て言うか。
爽やかが服着て、って言ったけど。
あいつが服着てるとこ、最近あんま見てないですね。
…………つまり。
残念なイケメン。
私の彼氏、長谷川大地を現す言葉は、それに尽きるのだ。
『序章』