でんじゃらすGirl瑞樹
□自己紹介は三割増で言え
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「あ〜皆見知った顔ばっかだが自己紹介するぞ出席番号順で言え」
第三回
自己紹介は三割増で言え
そう西先が言う。因みに西崎だから皆、西先って呼んでる。
「栗真大豈《ダイキ》でっす☆趣味はサッカー宜しく!」
そう栗真が言って、次は湖田《コダ》が自己紹介をした。
そして俺の前のヤツが自己紹介して、次は俺。
「凌草疾樹《ハヤキ》。趣味は特に無し。以上」
「趣味が無いってかわいそ〜」
俺が自己紹介を終え座ろうとすると後ろに座る姫路がそう言った。
因みに姫路は出席番号が俺の次なので俺の真後ろに座ってる。
「お〜ぃ、姫路。良いから紹介言え〜」
「はいほ〜い、皆のアイドルキューティカルビューティー姫路瑞樹でっす!瑞樹って呼んでね!趣味はケーキショップ漁りに空手。特技はアッパー、回し蹴りに踵落し。世露死苦ぅ☆」
と、姫路が自己紹介した。
つーか三割増で話してねえ?
空手なのになんでアッパーが出てくんのかも分かんねーし。
そして皆順調に紹介を終え、休み時間。
さっきの姫路の自己紹介がウケたのか、姫路の周りは男女問わずクラスメイトで溢れていた。
正直言ってまん前にいる俺としてはこいつ等が無茶苦茶ウザイ。
「ねぇねぇ、ケーキショップ漁りって基本的に何してるの?!」
「日夜美味しいレアチーズケーキを食べるべく、チーズケーキのみ食べ漁ってるぜ☆」
「それなのに細いね〜」
「空手やってるからねん☆」
「今度美味しいケーキやさん教えてくれる?!」
「いいよ〜チーズケーキが美味しい所しか知らないけど」
そう殆ど女子から人気があった。
つーかホントどれだけチーズケーキ好きなんだよ。
「姫路お前さっき凌草と仲良かったけど知り合いか?」
「んなわけねーだろ」
急に俺の話しが出てきたのでそれを否定した。すると
「疾樹・・・忘れてしまったの?あの時チーズケーキの上で交わした言葉w「テメェに名前で呼ばれる筋合いはねぇ。それとチーズケーキの上になんざ乗れるか!」ブー」
俺がツッコむと、姫路は駄々を捏ねはじめた。
「あははっ凌草ってば女子の事いっつも相手にしないで無視するのにめーずらすぃ〜」
と、クラスのムードメーカー(女)が言って来た。(つか興味無いだけだし)
「うるせー」
「そうだ!疾樹くん♪コレ書いてvV」
そうやたら愛嬌振りまいて姫路は言った。
そして出したのは・・・
「プロフィール、帳・・・?」
俺は思わず顔を引きつらせながらそれを手に取った。
「もうクラスの人全員に渡したんだよ〜あとは疾樹くんのみ!!」
そう満面の笑みで言った。
最初は返すつもりだったけど、あんな無邪気な笑みを見せられると断れなくなるってのが男の性で。
「チッ」
そう舌打ちをしながら渋々書き出した。
「し、凌草が・・・プロフィール帳書いてる」
『珍しい・・・』
クラスの奴等がそう声を揃えて言った。
クソッ後でシバく
「へ〜ウチの近所じゃん」
「は?」
丁度表面が終わりそうな所で姫路がそう言った。
「あたしの近所住まいの人ってこのクラスに居ないんだよね〜そだ!一緒に帰ろ〜」
「なんで俺がテメェなんかと帰んなきゃいけねぇんだよ!」
「イイじゃ〜ん同じ方向なんだからんvV」
「そーだそーだ!姫路だって一応女なんだからな!送ってやれ凌草」
「コイツの何処が女なんだよ!」
「何おぅ?!」
「あっじゃぁ私達も一緒がいい〜!!」
「姫路さんの家の近くに格安のケーキショップがあるんだよ♪」
「まぢでか?!」
「あぁそれなら俺も知ってるぜ〜結構空いてて穴場だぜ」
そう脇臭《ワキクサ》が言った。苗字の通り脇が臭い。
「じゃぁ皆で行かね?あっ、脇臭は抜いて。」
「なんでだよっ!」
「お前臭いんだよそんなヤツサ店に連れてけるかっ」
「あたしのエートフォーあげるからまた今度でヨロシク」
と、姫路がエートフォーを取り出して、脇臭に冷酷な笑みで言った。
そして脇臭はそのまま泣きながら消え去った。
「さーーぁ!皆も一緒に行くんだからいいよね?疾キング?」
「なんだよ疾キングって。はぁ、今日だけだぞ」
『やったー!!』
そうして、姫路一向は今日の放課後、ケーキショップに向う事となった。
結局はコイツに振り回される。
(この日、俺は少なくともこの高校三年間で姫路に振り回されるだろうと予感した。)
あとがき。
別に銀魂のある回のパクリってわけじゃないですよ。
こんなんがイイかなって思っただけとです;;