司書室1

□♪CANDY GIRL♪
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春の静かな陽の光に満たされ、人々の活気に溢れている上田の城下町。
「……」
前方を歩く佐助に右手を引かれ、幸村は羞恥に俯きながら足を動かしていた。
そんな彼女の反応を一瞥し、佐助はからかう様な口調で投げ掛ける。
「ちょっと、もう少し楽しそうにしてよ。幸」
彼の言葉に更なる羞恥を煽られ、幸村は足を止めた。
「し…、しかし…」
現在の自分の姿を再度凝視し、頬を赤く染める。
黒色の布地に、袖口だけが白色の膝上のワンピースとフリルがあしらわれた純白のエプロン。
頭部もそれに似た飾りで装飾され、未知な姿に困惑の色を隠せなかった。
「幸が悪いんだよ。俺何かに負けたりしたから」
投げ掛けられた瞬間、先程の稽古の勝敗と条件が頭の中を掠めた。
(…迂闊だった…)
周囲の好奇を含んだ視線が全身に突き刺さり、幸村は表情を曇らせる。
向かい合うと同時に彼女の右二の腕を強く引き、口角を上げた。
「…戻ろうか。我慢出来なくなっちゃった」
彼の視線に一抹の不安を覚えながら、幸村は恐々と首を縦に振った。





「ん…、ふ…」
布団の上に横たわらせられ、執拗な布越しの愛撫に幸村は眉間を歪める。
彼の細くて長い指に乳房や陰核を弄ばれ、全身
「ゃ、ぁ…!」
不意にそれに軽く爪を立てられ、小さな啼き声を上げた。
「幸の此処、布の上からでも分かるくらい凄く濡れてるよ。そんなに気持ちいい?」
あまりにも露骨な言葉を投げ掛けられ、幸村は力なく首を横に振った。
「っ…、言わないで…」
可愛らしい顔を快楽と羞恥に赤く染め、細い体を弱々しく震わせる恋人にこの上ない本能に突き動かされる。
「ひ…、あぁ…!」
止めどなく透明な蜜を溢れさせている膣に中指を押し込み、緩急な刺激を与えれば物欲しげに甘く締め上げられた。
その瞬間、佐助は口角を上げる。
(メイドと言えば、やっぱお強請りだよね♪♪)
「…欲しいのなら、強請ってごらん」
中指を引き抜いて、舌先で彼女の耳朶を舐めながら低い声で囁いた。
「…え…?」
初めての要求に幸村が困った様に双眸を細めた直後。
追い詰める様に、膣に中指と薬指を潜り込ませて上部の内壁を擦った。
「やぁん…!」
すると、幸村は恍惚に染まった嬌態で無意識のままに佐助を誘惑する。
「ほら、欲しくて堪らないんでしょ?」
熱を含んだ声に問い掛けられると幸村は完全に思考を遮断された。
震えた赤い唇を開く。
「ご…、ご主人様…」
「ん?どうしたの?」
故意に惚けた態度を見せれば、幸村はゆっくりと両脚を開いて小さく投げ掛けた。
「抱いて、下さい…。おかしくなる…」
従順な甘い言葉に興奮を隠せず、佐助は彼女の下着を素早く除去する。
思いもしなかったそれに気を良くし、満面の笑顔を手渡した。
両脚の間に体を割り込ませ、唇を重ねてから彼女の頭を右手で撫でた。
「ご褒美だよ♪♪」
「あ、はぁぁん…!」
言い終えると同時に硬く怒張した自身を幸村の膣内に侵入させる。
「やぅ、あぁっ…ん…」
激しい腰の律動を施されて、幸村は佐助の大きな背中に両腕を絡ませた。
荒い呼吸と共に吐き出される啼き声が媚薬の様に佐助の思考を溶かした。
本能に従い、幸村を両腕で抱き締めると深々と彼女を強く貫く。
「ん、あっあぁん…!!」
それが刺激となったのか幸村は与えられた大きな快楽に抗えず、膣内に流れ込んでくる佐助の欲を感じながら瞼を閉じた。





「…佐助」
低く、静かな怒りを湛えた声に鼓膜を振動させられて佐助は一瞬体を竦ませた。
「…はい」
振り返って彼女の答えを待つ。
その直後、幸村は冷たく投げ掛けた。
「…減給だ」
「えぇ!?勘弁してよ!!幸姫様!!」
哀願する様に返されるが声を荒げて叱咤した。
「煩い!お前の所為で腰が痛むのだ!少しは反省しろ!」
布団の中で腰を擦りながら彼を睨めば、あやす様に左手で右頬を撫でられて頭を下げられる。
「…まぁ、調子づいて姫に無理させちゃった訳だしね。分かったよ…」
彼らしくない言葉に拍子抜けし、幸村は双眸を見開いた。
(…言い過ぎてしまったか?)
何故か胸が痛み、判断に迷った。
様々な事を数十秒程頭の中で論じてから言葉を紡いだ。
「…今後、あんな事をしないというならば減給は許してやる…」
(私も…、気持ち良かったのだから…)
痛みの裏に隠された疼きに敢えて構わず、幸村は頬を赤く染めて彼から視線を外す。
彼女の心情を悟りながら佐助は微笑を浮かべた。
(全く、素直じゃないんだから)
「了解っと♪肝に銘じておきます♪」
言い終えるより前に布団に潜り込み、幸村を優しく抱き締める。
空は夜の匂いを静かに踊らせ始めた―。

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