ダブルアーツ
□拍手log
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(キリエル)
そういえば、彼には言ったことが無い、私の秘密があった。
それは今となっては関係が在りそうで無かったり、無さそうで在ったりするかもしれないけれど、とにかく今の世界に満足していたからすっかり忘れていた事実、
悲しくも、前世で私達が死別したこと。そして、今こうして生きている物語みたいな出来事を、私が全て覚えているということを。
「キリ、さん。」
「ん?なんだよエルー、"さん"って。いつもは"君"だろ」
なんかいつもより他人になっちまったみたいだ、
と切ない顔で彼は笑うから、申し訳なくなった、
でもその奥底に眠る彼を見つけて、また彼を呼ぶ。
「キリさん…」
「エルー…?」
「キリ、く…ん…キリさん、」
「、エルー…やめて、」
「キリさん、」
「…あたまが、痛いんだ。」
そして涙が出てくる。
目から流れる熱さに戸惑い、2人手を合わせれば、凍えていた記憶がその熱に溶かされる。
頭を駈ける記憶。私たちを包み込んだ幸せと、襲った悲劇。
重なりあった運命を共にした旅。
「エルー…、」
「ごめんなさい、キリさん…」
「、ごめん、な…エルーを、忘れていたなんて…」
もう、離さないから。そう呟いた彼の目は、
2つの世界を宿していた。
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意味分からなくてすみませんorz
転生ネタです\(^O^)/
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