ダブルアーツ

□拍手連載
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机の整頓は粗方終わった。
そこで流れる汗を拭って日誌のチェック表に整頓を済ませたことを書き込んだ。
ふと前の教卓付近を見ると、小さな背中が黒板消しに奮闘していた。


「と、届かな…っ」

「(……ぷっ、)」


懸命に腕を伸ばすも、上の方に書かれた少しのチョークは残ったまま、消せずにいる。
どうしても消したいらしい彼女は、ジャンプしたり、黒板消しを長めに持ったりと数々の方法でやろうとするが、やっぱりそれは消せなかった。


「(なんか、小動物みたい、)」

「くぁっ!!や、やっぱりむりです…」

「オレがやろうか?」

「大丈夫です!わ、私にやらせてください!」


真夏の馬鹿暑い中、流れる汗はどうしても止まらない。この高校の駄目なところは寒暖房器具が備え付けられていないところだと心底嫌になる。
それにしてもエルレインは真面目だ、と思ったところで、同時に消すのを待ってたら日が暮れてしまうのも悟った。

そこで後ろの黒板に置かれたもうひとつの黒板消しを手にし、エルレインに近づこうとした時。気付いてしまった。


「(、っブラ透けてる…、)」


胸がドクンっと締め付けられた気がした。
女子のブラなんて正直何度でも、しかも直接見たことはあるし、それ以上だってするんだから今更女子の下着が少し見えたくらいでこんなに動悸が激しくなるわけ、ない、のに。


「(なに、これ。)」


小さな背中と白い日焼け知らずの肌が少しだけ覗いて、細く可愛らしいピンクのブラのホック部分が汗を吸って透けやすくなったブラウスから見え隠れしている。
顔に急激に熱が集まるのが分かった。顔に手をやる。これは、まさしく、

夏の暑さによるものではないと、分かってしまった。


「(まじ、かよ…)」

「とっ、わっ…や、やった!消せた、消せましたよキリくん!」

「よ、良かったじゃん。」

「はい!あー、すっきりしました〜。キリくんも机の整頓ありがとうございます!」

「い、いや…別に。」

「………………?」

「、?…なに?」


急に黙り込んで首を傾げながらこっちを見つめてくる彼女、






「なんか、キリくん。顔赤いです。」






(意識して、しまったからだ。)(きれいな、彼女を。)



――――――――――――


"面白い"とか"遊び"とか"暇つぶし"とか言ってられなくなってきたキリくん。

初恋みたいなトキメキと、
行き急いじゃってきたキリの余裕や、
純粋なエルーのスローペースが混ざっていけば、良いと思います\(^O^)/
今まで付き合って(?)きた彼女達と比べて全く正反対な性格のエルーにときめいたことに、キリは半信半疑になって悩み、恋煩いしていけば良いと思います(爆)



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