ダブルアーツ

□泡
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女の子ならば一度は憧れるであろうバスタブを、中古ではあっても新品同然であるそれをキリさんが持ってきたのは、昨夜のことだった。
どこで手に入れたのだろうかキラキラしたそれは、がらりとした浴室にぽつんと置かれ、とても可愛らしい雰囲気を醸し出していた。


「か、わいい…」


すっかり大人になった2人の住む家の浴室は決して広いものでは無かったものの、ポツリと置かれたバスタブはおしゃれで可愛らしい雰囲気を醸し出すのと同時に、この閉鎖空間を広く感じさせた。


「泡風呂にしよっか。」

「、はいっ」

「オレも一緒に入っちゃおうかなあ」

「えっ、えっ」

「あはは、冗談だって。そんな赤くなるなよな」


赤くなるなよって…!なるにきまってるでしょう!
いまだにいたずらっ子の様に笑うキリさんに悪態をつきながらも、買ってきてくれた本人である人に少し悪かったかな、と思って顔を赤くしたまま逸らした。


「拗ねんなよー」

「す、すねてませんよっ!」

「じゃあなんで顔逸らしたんだよ」

「それは…キリさんが変なこと言うから…でも、拗ねてませんから!」


いーや、拗ねてるねー、と笑いながら入浴剤の蓋を開けるキリさん。手際よく2さじのそれを入れると腕をまくってお湯をかき混ぜ始めた。

なんだか全部やらせちゃってるなあ…

大人な彼に振り回されながらも、結局は自分ばかり与えられてることに急に申し訳なくなって
ごめんなさい…、と呟いた。お湯がバチャバチャと跳ねる音が聞こえたとしても、多分しっかりキリさんの耳に届いていたことだろう。

ふとキリさんはこちらに向かっていた背中を振り向かせて言ったのだった。


「じゃあさ、…一緒に入る?」


脈絡の欠片もないその言葉に頷いてしまったのは多分、浴室の蒸気に浮かされてしまったからだと思う。いや、そう思いたい。







――――――――――

尚春が大好きな同棲設定。アッー
泡風呂で仲良く裸のお付き合いでもどぞー!!(´∀`)はぁはぁ。ですね!


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