ダブルアーツ

□MY HEAVEN
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オレは誰かに何かを与えたりすることはなかった。
小さな頃からずっと、与えられる側で生きてきた。命から始まり、服や食べ物、この力さえも誰かに与えられたものかもしれない。オレという生き物は、キリ・ルチルという人間は、成り行きというものに単純に乗り込んでゆける性格だったが故に、今まで、これといった不自由なく生きてきた、といえば素直に頷けるのだ。
そんなありふれた幸せで、平和な"日常"を"非日常"に変えたのが、この右手に重なる手の持ち主、エルレインだった。彼女の手は、世界は、オレの力を必要としていた。
瞬く間に、オレは与える側となったのである。



ぼんやりと天井を眺めていた。
時刻は一人で思いに耽るに十分な淡い月光が部屋を照らす、深夜のことである。
"静寂"というのはこういうことだろう、壁で隔てられた向こう側の少女が寝返りをうつ、布擦れの音がたびたびするくらいで、辺りはしんとしている。

そんな中少年は眠れずにいた。
まぶたがはっきり開かれているわけではないものの、眠りつくことはなかった。
ましてや、いい夢を見れそうにない。落ち着いた静寂とは裏腹に、心がざわめく夜だった。


「――――――――…、」


与えられ続ける日常は嫌いではなかった。そんなことをいちいち気にしたことはなくて、それが普通だとおもっていたからだ。

親がいて、
友達がいて、
周りの大人や子供に好かれ、恵まれ、
賑やかな毎日
絵を描いたり、何かを作ったり
父母が作った温かい夕飯を食べて
休日には遊び
帰りを待つ人がいる。


えてして、彼女はどうだっただろうか。


親や周りの人は幼い頃に亡くなったと聞いたし、それからはシスターとして忙しくしていたという。
絵を描いたことはあるだろうか。
友達と遊んだことは?
家に帰ると自分を待っている人が居て、
温かいご飯を準備しているなんてことは?

シスターとして街を転々としていたのだから、きっと無縁だっただろうし、
ましてや"トロイ"という病気のせいで、いやな気持ちをしたことだってあるはずだ。

きっと彼女は、薄れる幼い頃の幸せや、毎日の小さな幸せを、大事にして生きているのだろう。





「―――――――オレが、守るから。」






オレにしか出来ない約束。
眠る彼女と、一つの約束した
目覚めた彼女が、幸せであることを。







MY HEAVEN
(ふと、彼女の手が震えだし、声にならない嗚咽が聞こえてきた。彼女はよく泣く。夜に、1人で。)(それは、今日で最後になるだろう)







―――――――――――――――

エルーがキリに頼ることで幸せを与えて
キリがエルーに幸せという世界を与えて

キリエルが私にキリエルという幸せをだなああああ!!(´・ω・`)←


という気持ちで書きました略←←

これって小説…なの?と思うとこですが、
文字が多くて読みにくくて、何が言いたいかわからない小説(もどき)というのは尚春の文章の特徴ということでひとつ…!(泣)


紅さん本当におまたせしましたっっ><

切ないということで、切ない…切ない…と暗示をかけながら書かせていただきましたが如何でしたでしょうか…;;
煮るなり焼くなり好きにしてくださいっ!

今回はリクエストありがとうございました!


この作品は紅さんのみお持ち帰り可です!



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