short story

□一つ頼んで倍以上返してやりたい時もある。
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ピンポーン ピンポーン

万事屋のチャイムが鳴る。

「はぁー・・・誰だよ。ジャンプ読んでたのによぉ。今日は誰もいねぇから仕事しねぇーぞ。」

銀時はヨロヨロと応接間のソファーから立ちあがると玄関に向かった。

「あれ?土方クン?何?どうしたの?」

玄関の扉を開けると恋人である土方がいつもの隊服ではなく着流しで立っていた。

「急に休んでいいって近藤さんに言われたから来てみた・・・今ヒマか?」

「ヒマ。」

「いつもヒマそうだもんな。」

「喧嘩か?」

「甘味だ。」

そう言うと土方は右手に持っていた紙袋を銀時に見せてニッコリと笑った。

「さすがは土方クン。まぁまぁ上がっていきなよ。」

銀時は紙袋を受け取り応接間に向かう。
土方はソファーにドッカリと座ると煙草に火をつけた。

「コーヒーでいいか?それともお茶?水?」

「水ってなんだ。コーヒーくれ。」

「水ってのは水道水だ。」

銀時はコーヒーを淹れるため台所へ向かいお湯を沸かす。
自分は飲まないインスタントのコーヒーが置いてあるのは土方がカフェイン中毒だからだ。

「はいコーヒー。このケーキどこのだ?この袋見たことねー。」

銀時は袋から箱を取り出し中のケーキに目をキラキラさせながら喋っている。

「あぁ。今度新しくできた店だ。」

「さすがモテる男はマメだねぇ。」

「甘味好きな恋人がいると目がいっちまうもんさ。」

「愛されてるな。俺。」

そう言うと銀時は“いただきます”と手を合わせてパクリとケーキを口に運ぶ。

「お前・・・皿ぐらい出せばいいだろ。手掴みって・・・どんだけ飢えてんだ。」

「んー?土方クンぐらい?」

ケタケタと笑いながらケーキをまたパクリと一口食べる。

「なんだそりゃ?俺ってそんな飢えて見えるか?」

「狂犬のマテは見てて笑える。」

銀時は指についたクリームを土方に見せ付けるように舐め取り、妖艶に笑って見せた。

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