short story

□他人から見ればそんなもの。
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「パピー酢昆布買って〜。」

神楽は万事屋の応接間でソファーに座り煙草を吸っている土方に甘えておねだりをしている。

「歳若い子が酢昆布欲しさに可愛くおねだりするなんざ涙が出てくんな。外でそんな真似すんじゃねーぞ!」

硬貨を使うのが面倒な土方はいつも札で支払いをするので小銭入れは膨れて重くなる。
そのたび神楽に駄菓子代と言って財布の掃除をする土方は小銭入れに入っている硬貨を全部神楽に渡した。

「買ってこい。」

「ありがとうパピー♪行ってくるアル!」

神楽は嬉しそうに笑って玄関に駆けていった。

「ダーリン、パフェ食べに連れてってよー。」

神楽と土方のやり取りを見ていた銀時は神楽の真似をして土方におねだりした。

「血糖値が下がったらな。」

「最近冷てーよ土方クン。何?俺ら倦怠期?」

銀時は自分の口から出た言葉にガックリと肩を落とした。
考えてみれば、付き合い初めの頃はケーキだ和菓子だと手土産を持ってきていたのに最近は血糖値を下げるお茶だのサプリだの嬉しくない物を買って寄越す。
セックスも会えばその度だったのが土方が非番で万事屋に泊まりにくる週1回になった。
フラリと来ても土方は神楽の遊びに付き合っていることが多い。

「おい!聞いてんのか?銀時?」

「やっぱり倦怠期だな。」

それを聞いて今度は土方がガックリと肩を落とすと溜め息を吐いた。

「お前な。付き合い始めた頃とずっと同じテンションでいたら続かねーだろ。今が普通なんだよ!普通!」

土方は煙草をくわえると火を着け、溜め息混じりに煙りを吐き出すと銀時を抱き寄せた。

「なんだよ?」

「ほらみろ、お前だって変わったじゃねーか。」

土方は自分で言って落ち込む。
考えてみたら前は抱き寄せると顔を真っ赤にしてアタフタしていた銀時が今や顔色一つ変えない。
セックスも前は恥じらいらしきものがあったのに、今はそれらしきものは見当たらない。

「聞いてんのか!何が変わったてんだ!」

「可愛いげが…恥じらいが…。」

「んなもん乙女だって時間と共に忘れちまうんだよ!今更気持ち悪りーだろが。」

銀時は土方の背中をスリスリと撫でながら肩に顎を乗せムーと唸った。
土方も銀時を抱きしめたまま煙草を消すと銀時の肩口に顔を埋めウーと唸った。

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