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銀ちゃん、パピーみたい。
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朝。




私は、新八に起こされて起きると、銀ちゃんが居ない事に気付いた。

「新八、銀ちゃんは?」

「ああ、銀さんなら、僕が何度起こしても起きないからまだ寝てるよ。
悪いけど、神楽ちゃん起こして来てくれる?」

「分かったヨ。」




『銀ちゃん、パピーみたい。』




ったく、あのマダオめ。
仕方ない、この神楽様が起こしてやるカ。
有り難く思うヨロシあの天パ。
と、私は銀ちゃんがいつも寝てる寝室に向かう。

そして、戸を開けた途端ムワッと甘い匂いと、お酒の匂いがした。

だらしなく寝間着にも着替えていない銀ちゃん。
ヨダレを垂らして寝ている。
多分、朝帰ってそのまま布団にダイブしたんだろう。

「全く、マダオ全開アル銀ちゃん。
あ、元からか。」

溜め息混じりに言ってみる。

「早く起きるアル銀ちゃん!
結野アナの朝のニュース始まっちゃうヨ?」

耳元でそっと呟いてみると、銀ちゃんはすぐさま目を見開き、ガバッと起きた。

「まっマジでか!?
はっ早く!2チャン!2チャンネル!!」

いつもにも増してボサボサの髪をモサモサ揺らし、焦っている銀ちゃん。
なんか、可愛い。

「もっと早く起こせコノヤロー!」

そう言って、銀ちゃんは居間へと向かった。

「…何で起こしてやったのに文句言われなくちゃイケないネ」

少し呆れ気味に言った。

そしてふと、銀ちゃんがさっきまで寝ていた布団を見た。

「(銀ちゃんの布団…)」

銀ちゃんがさっきまで寝てたから、凄く乱れてる。
銀ちゃんの匂いが染み付いた布団。

「(…ずっと銀ちゃんが使ってる布団)」


サッと変な考えが浮かんだ。


どんな匂いがするんだろう?





甘い糖分の匂い?
辛いお酒の匂い?
……加齢臭?

「(…ちょっと、入っちゃおうかな…)」

…いいよね、ちょっとくらい。
別にやましい事じゃないし、と自分に言い聞かせる。
そして、また銀ちゃんの温もりが残ってる布団に潜り込んだ。

「あったかい…」


「(銀ちゃんの匂い…)」



…やっぱり、甘ったるい匂いがした。

そして、なんだか。



「(パピーみたいな匂いがするネ)」

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