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銀ちゃん好き
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「銀ちゃん銀ちゃん」

「なぁに神楽ちゃん」

「好きヨ」


銀ちゃん好き



銀ちゃんが好き。
それ、本当。

「そいつはありがとさん。」

なのに銀ちゃんは、軽く受け流すだけ。

「銀ちゃんは?」

って聞くと

「俺もだよ神楽ちゅわん」

とふざけた口調で返してくる。
私は、真剣なのに。銀ちゃんのバカ。

「銀ちゃん何も分かってないアル!!」

ついに頭に来て、怒鳴ってしまった。
ただ軽く流しただけなのに怒鳴られて、銀ちゃんにとっては意味が分からないだろうけど。
だけど銀ちゃんは、特に驚いてる様子も無かった。

「分かってねーのはお前だろ。」

何ソレ。
どういう事?

「お前は全然分かってねーよ。」

ジャンプをペラペラ捲りながら、銀ちゃんは言った。
私が何を分かってないの?
意味が分からない。

「…銀ちゃん何て知らないネ!」

スパンッと、勢い良く万事屋の玄関の戸を閉めた。
銀ちゃん何てもう知らない。
坂田 銀時?何、誰ソレ食えんの?

「銀ちゃんの馬鹿…」

真剣に言ったのに、ふざけて返さなくたっていいじゃないのさ。
銀ちゃんがちゃんと言ってくれたら、怒らなかったのに。
『俺もだよ』とか『困る』とか、ちゃんと言ってくれれば。
否定する言葉だって、聞いたのに。
私の何が分かってないって言うんだ。
分かってないのは銀ちゃんでしょ。

「銀ちゃんの馬鹿!!
アホ!天パ!マダオ!」

もういい、もういいモン。


涙が流れた。
だって、どうしてもこの想い、伝えたかった。

なのに。



子供の戯言だ、と信じて貰えない。
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