更新用ブック
□そのチョコ誰の?
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2月14日、バレンタインの事だった。
チクタクと時計の音が部屋に響く。
重い。
どこか、重い空気が万事屋を支配した。
「銀さん…そんなに気になるんですか?」
不意に新八がソファに黙って座る銀時に話かけた。
その言葉には少し困惑した色が混じっていて、銀時はピクッと反応する。
「ななななな何がだねししし新八くっキュン?」
「何がだねって…
明らかに動揺してるじゃないですか。」
「そそっそんなきょっことねーにょっ」
「噛みまくりじゃないですか!」
「うっうりゅっ…うるせー駄眼鏡コノヤロー!!
唯一の特徴のその眼鏡粉々にしてやろうか!!」
明らかに動揺している銀時。
新八は、「相手してらんねーよ…」と呟きながら洗濯物を干しに行った。
銀時は、そんな呆れ気味な新八を横目で見て、「ケッ」と吐き捨てた。
「俺のどこがおかしいってんだ。」
そう言って銀時は、逆さまのジャンプに目をやった。
『そのチョコ誰の?』