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終わった初恋
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好きだった。

アイツが、俺を。


「銀ちゃん好き。」


分かってる。
分かってるさ。

だから、お前にも分かって欲しいんだ。




終わった初恋








最近、神楽が、俺に近付かなくなった。
…まぁ、当然と言やぁ当然だ。

奴を近付けなくさせたのは、俺本人なんだから。


「銀ちゃん、おはよ。」

「おはようさん。」

軽く挨拶を済ませて、神楽は定春に乗って外に出掛ける。
これが、最近では当たり前になった。

それからの午前中は、神楽と顔を合わせる事は無い。
…昼飯はどこで食ってるのか、どこで遊んでいるのか。

ただ分かってるのは、持っていく酢昆布の量を倍にしたっていう事。

あと…関係無いだろうが、ノースリーブとスリットが深く入ったチャイナ服を、頻繁に着ていくようになった。
しかも、花の模様が入った物や、ウサギのロゴが入った物とか。
まぁ、その事に関しては、あまり気に止めていない。

昼飯を食わせるために、神楽を探しに行った事もあったが、結局は見つからず俺一人で帰っていた。

「今日も神楽ちゃんいないんですか?」

「あー?知らね」

「知らないじゃないですよ!
銀さん、神楽ちゃんに何かしたんじゃないですか?」

「………」

「…すいません、そこで黙られると、凄く不安になるんですけど…。」

何もしてねぇ、と言えば嘘になる。
神楽を傷付けたのは、間違い無く俺だから。
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