short novel

□銀世界と君
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休日、家でテレビを見ていると北海道の雪山が映されていた。
綺麗で、真っ白な、白銀の世界。






●●●銀世界と君●●●







「………雪か。」



雪を見てるとアイツを思い出す。色白で綺麗な空色の瞳のアイツ。ただでさえ色素が薄くて真っ白いくせに髪の毛まで銀色にしているもんだから、アイツのイメージは真っ白。



「…………会いてぇなぁ…。」



ふと空を見てみると雪が降って来ていた。神奈川に雪が降るなんて珍しい。
雪が降り積もっていく。
…………



「……………っ!」



弾けたように立ち上がり、廊下を駆け抜け、気がついた俺は外に出ていた。
玄関から誰かが俺の家の塀に寄り掛かっていたのが見えた。


仁王が立っていた。



「ぷりっ」


「“ぷりっ”じゃねぇだろぃ。この天気ン中、こんなとこで何してんだよぃ。」


「……………家で………」


「あ?何だって?」


「家でな、弟が赤いマフラー巻いとって……赤いの見てたらブンタ思い出したから会いにきたんじゃき。」


「家にいなかったらどうすんだよ。」


「大丈夫。会える気がしたから。」



“気”だけかよ。
でも、今はそれで充分だと思った。



「俺も今会いたいって思ったんだ。」


「そーなん?きっと俺達、赤い糸で繋がっとるんじゃ。」



言われて柄にもなく、顔が熱くなった。顔を見られたくないがジャンパーを着ているわけではないし、マフラーを巻いているわけじゃないから顔を上手いこと隠せない。



「……よくそんな台詞、真顔で言えんな。」


「そー言うブンタは顔真っ赤じゃよ。可愛いのう。」



「うっせ。死ね。」



やっぱりバレてた。




●●●銀世界と君●●●
(仁王って雪みたいだよな)
(ほう……どのへんが?)
(その若白g……)
(白髪じゃないナリ)



⇒あとがき
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