short novel

□恋の種
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「あーーー…………」



思わず溜め息。



「白石?どないしてん?」



俺の溜め息に気付いた謙也が俺の方に似近寄りながら話し掛けてきた。



「…………今日、部活ないんやなーって思ったら………」


「白石らしいな」



少し呆れたような笑いをする謙也。何や知らんけど、謙也にこういう態度をとられるとちょおムカつくな………



「何や、その笑い方」



いつもの感じで謙也をいじる。



「あ、すんません。」



謙也もいつもの調子で謝る。
これが俺らのパターン。
日常茶飯事。
いつもと何も変わらない。



「でも、何かいつもとちゃうねん」


「は?何が?」










●●恋の種●●





翌日の部活最中。
いつもと同じように一人一人にメニューを渡し、本日は個人練習。俺と謙也は一緒にランニングをしていた。



「はーっ、はーっ、はーっ」



隣で謙也が息を切らしながら走っている。俺もそろそろ息があがってきた。



「はぁ…はぁ…はぁ………ん?」


たまたま走りながら見たところに、オサムちゃんがいた。どうやら今部活に来たようだ。



「………………」




「…………白石?」


「えっ?」



謙也の言葉で我に戻った。



「どないしてん?熱でもあるやないか?顔真っ赤やで?」


「や、走っとるから体温上がってんねん。心配いらん。」


「そーか?ならええんやけど…………あれ?オサムちゃんやん!」



ドキッ

???
何で“ドキッ”?



「白石!?前!」


「は?えっ?」



ごんっ






何なん、これ?






鈍い音が身体中に響き、俺はその場で倒れた。





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