short novel
□仮充電完了
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あー暇。
休日なのは嬉しいのだが…どうせだったらオサムちゃんも休みならよかったのに。俺一人でも暇で仕方ない。
何やねん、PTA会議て。
保護者会なん別にやらんでもええやんか。
勉強しようかと思ったけど気分じゃないから机にポイして、とりあえずベッドでごろごろ。
ちょっと肌寒く感じたので毛布一枚被って。
あー暖かい。
隣にオサムちゃんがいればもっと暖かいのに。
…
「白石ぃー?」
「え?」
あ、ぼーっとしてしまったようだ。
「折角久々の二人きりなんやでー?」
「ああ、ごめん」
俺はオサムちゃんのボロアパートの部屋の中にいた。
「疲れてるん?」
「いや?別に…ちょっとぼーっとしてただけ」
「そーか?ならええんやけど…」
「あんま無理しなや」と言いながら俺の頭を撫でるオサムちゃんの手が心地好い。
幸せだな、好きな人にこうしてもらえるのって。
「白石にずっと、こうしたかったんやで…?」
そう言って俺を優しく抱きしめて、…
…
「…ん………」
目を開くと自室のベッドの上。
外は明るく、時計は15:44。
何だ、夢か。
折角幸せやったんに。
でも夢の中で会えて、少し心が暖かくなった。
もう一回、会えないかな?
続きが見たくて、俺は毛布を被り直した。
●●仮充電完了●●
(また夢の中で会いましょう)
(些細なこと、それだけでも幸せなんだ)
2010.9.23 藍猫