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□No.2 参戦
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「食えよ、うまそーじゃん。」


『やだよ、ウチ和食派なんだ。
だったら宍戸が食べれば?』


「俺自分の弁当持ってるし」


『アタシだって持ってるよ。』



私は自分のカバンの中から弁当を取り出す。
一応あたしだって財閥の娘な訳ですよ、まあ跡部とは対照的に和風な家柄だけど…。


「おい…、女子の弁当が重箱ってどうよ?」


『し、失敬な!これでもダイエットキャンペーン実施中なんだ!!』



これが漫画であるなら、効果音に【どんっ】と入りそうな私の弁当。
普通なら運動会の時に核家族全員が満腹できるほどの巨大さ。

宍戸が私の弁当箱を見て引いている。
アタシにとっては普通なんだよ、普通。
お前らが小食なんだ、アタシは異常じゃない。

それにこの重箱は、我が家自慢の金のちりばめられた漆塗りの逸品。

引くな、拝めたことを喜べよ。


水泳はがむしゃらに筋肉つければいいってもんじゃないんでね、
沈まないように、それなりにバランス良く脂肪もつけなきゃいけないんだよ。

宍戸は自分の鞄をあさりながら言った。



「…見てるだけで腹がいっぱいになるぜ。」



奴も弁当を取り出した。
私は宍戸の取り出した弁当を見る。
中には、お母様の苦労と、工夫と、愛情でいっぱいであろうチーズサンドが入っていた。
明らかに朝ランニングしながら学校来たなって感じの、中身のより方。
もう弁当箱の隅に寄りすぎて、中身のチーズが可哀そうなことになってる。


もうちょっと、あんたの朝練に合わせて弁当を作ってくれてる母親の気持ちを考えよう。



『お前の弁当小っさ!よく腹が持つね・・・』



私は自分の弁当のふたを開けた。
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