LOVEorLIKE

□No.2 参戦
5ページ/9ページ

「無視とはいい度胸じゃねーか、あーん?」


『………何かよう?』




ついにあたしは返事をした。
くそ、折れてしまった。
まあ、いつまでもシカトしたら可哀そうだし?
ああ、あたしって聖母の如く優しい!



「俺様と飯を食え」 
       『いや。』



超上から目線に発せられた跡部の言葉。


そんなことしたら、あたしの命が危ないわ。
FCの奴らに、ぐちゃぐちゃのデロデロにされちゃうから。

実際嫌だし、さっき食ったし、ウチ和食派だし!!

あたし早死したくないんでね。
目標100歳まで生きることだから、それの十分の一で死んでたまるか。
それに、第一頼み方が気に食わん。
人にものを頼む時は普通へりくだるもんでしょ。

なにその上から目線。
「俺様と食事ができるってんだ、ありがたく思え」的な?


ふざけないでよ、マジ論外だ。



「拒否権はお前にn」
       『ごめんもう食べ終わったから、うち練習あるんで…んじゃ!』



こんなところで、この俺様に付き合っている暇はない。
こいつと顔を合わせるのは部長会議で十分だ。


私は何も持たずに席を立った。


実際本当に練習はしなきゃだし。
運よく水着は、朝連の時のまま内に着ている。
もう雌猫共の視線なんて気にしない。



「おい、待て…」
     『さよ〜なら〜』



私は早足で教室を出ると、そこから走り出した。
きっと教室では私の悪口でも回っているだろう。
早ければ今日の放課後にでも呼び出しを食らうだろうな。



『はぁぁぁぁ・・・』



私は重い溜息をついた。
アイツが何を考えて私を副会長にしたかは知らないが、
最初に宣戦布告してきたのはあいつだ。


私はプールサイドまでたどり着くと、その場に制服を脱ぎ捨て、プールに飛び込んだ。



『負けるもんか』



私は壁を蹴り、クロールを始めた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ