ネームレス
□嫌なやつ
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「しかし、はたけカカシね〜」
火影室で火影様を笑かした後(?)、私は任務の書類と“ある人物”の書類の2枚を、暗部待機所でひたすら読み返していた。
そのある人物とは、今回私とツーマンセルを組むことになった新人暗部、はたけカカシ。
もうこの書類を隅々まで読みつくすのは、何回目になっただろうか。
はたけカカシ
15歳、写輪眼、コピー、元上忍
単語単語で結構気になるところはあるが、まあ上忍から暗部に転換とは随分物好きと言うことだろうか。
書類に張られた写真に写っているのは、かなり整った、端正な顔をした銀髪の青年。
割と眺めていて飽きない顔、と私は思う。
しかしこれは、私の好みの男性像だからだとか言うのではない。
誓ってない。
私が時間を持て余しているから、する事が他にないので、仕方なく眺めているにすぎない。
そして、私が何故時間を持て余しているかと言うと…
「来ねぇ!」
火影様に待機所に向かうように言われ、早1時間半。
酷い話だ。
何が楽しくて、こんな薄暗い部屋で何時間も待たされるんだ。
面もとらず、眠りもせず。
そろそろ、堪忍袋の緒が切れる…その時。
ドアの向こうに気配を感じた。
ようやく来たか、私は深くため息をついた。