ネームレス

□ターゲット
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「…どこだここ。」


目が覚めた私は、布団にくるまったまま周りを見回す。
生活感がないという点においては一緒なのだが、見たことのない内装の部屋に目覚め切っていない頭を悩ませることになる。

昨日、私は何をしていたんだっけ…

図書館で本借りて、
一楽でラーメン食べて、
本屋に本受け取りに行って、
病院行って注射器貰って、
忍具店いってチャクラ鉄買って、
花や行って桔梗を買って、
墓地でカカシさんに会って、
荷物を置いた後カカシさんの家行って、
お風呂入った後…



ってカカシさんの家!?
その思考が頭を支配した時、私はガバっと起き上がる。
その瞬間に見える、ソファーに横たわったカカシさん。


「そっか、カカシさんの家泊まってたんだっけ。」


私はベッドから抜け出し、カカシさんが寝息を立てるソファーへ近づく。
そこには口布を外した端正な顔があって、そこで初めて自分がカカシさんのベッドを占領していたことに気づく。
私は少し(ホントに少し)だけ悪く思って、ベッドから毛布をはがすし、カカシさんに掛けれあげた。


「おはよ。」


すると、寝ているはずのカカシさんの薄い唇から声が漏れる。


「おこした?」


「いや、起きてた。」


すると、カカシさんはむくりと起き上がるとあくびをする。
「寝たふりすんなよ。」私はカカシさんに掛けた毛布に後悔し、仕返しに遮光カーテンを勢いよく開けてやった。
その瞬間にまぶしい光がカカシさんに降り注ぎ、まだ半開きの(普段からか?)カカシさんは目をつぶる。


「うわ、眩し!」


「寝たふりした罰だよ。」


カカシさんが「目が〜、目が〜」と悶える横を通り、冷蔵庫を開け牛乳を掴む。
そしてコップを棚から発見すると、注いで一気に飲んだ。


「あの〜、俺の家なんだけど。」


「べつにいいじゃん、気にしない気にしない。」


私はコップに新たな牛乳を注ぎ、カカシさんに手渡す。
カカシさんも特に気にしているような様子もなく(まだ目覚めてない)それを受け取ると中身を飲み干した。



「良く寝れた?」


「それなりにね。」
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