orphan*2=drug*(1/f*aube)=”緤”

□シユイ
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「なんであんなことしたんだ?」


「…………」


「黙っていても分からないぞ」







あれから数日後。

俺はロジャーに呼び出されて説教を受けた。


今さらになってこのじいさんが説教を垂れたということは、アイツらが告げ口をしなかった、ということだろう。



慌てて俺を呼び出したのがその証拠だ。
アイツら以外で暴力沙汰を起こすのは俺くらいしかいないからな。







「……とにかく、暴力は駄目だ。
何があったかは分からないが、人に手を上げることは愚かな行為……、そう思わないか?」


「……」


「頭の良いメロなら分かるだろう?」






うるさい。

そう気持ちを込めてロジャーに視線を投げる。


「っ!メロ……、」


さらにグダグダ言ってきたが、俺は一言も発することなく、半ば無理やり部屋を出た。



ロジャーに1から説明するのは気が引けるし、面倒でもある。
呼び出された時点で話す気はさらさらなかったが。


あのじいさんが解決できる問題でもない。

きっと話したところで、俺にしたようにグダグダと分かりきった事を言い、なんの解決もならないのが関の山……




俺がやるべきだと思った。


だからあの時、部屋を飛び出した。


……いや、今こうして冷静になったから言えることだが、こんなまっさらな正義感だったのだろうか。
例えていうなら衝動に任せて動いた、か……?


もしくは、
俺が守らなければいけない、と直感的に思った……



……いや。

俺はマットに手を出したアイツらが単純に許せなかった。それだけのこと。




「……フン」



廊下の窓辺にもたれて、空を見上げる。
降り注ぐ木漏れ日がまぶしくて、視線を室内に戻すと、光の残像が目を眩ませた。


ぐっと眉を寄せて一点に集中していると、徐々に目が慣れて視界がはっきりとする。


……俺がどうだったか、なんてことはどうでもいい。


今となればそんな事はどうでもいい話だ。


あの夜、俺たちは……








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