絳錆-akasabi-

□壱
1ページ/2ページ






そう それは突然

本当に突然だった









いつも通り普通に家に向かっていた私は、うだるような暑さの中汗だくで歩いていた

剣道の道場から普通の住宅街の家に向かってテクテクと


「やばい、あつい…」


剣道着は汗を吸い込んでるしとても気持ち悪い。肩に担ぐ坊具は重いし、頭もくらくらしてくる


「やばいかも…」


なんだか視界がぼやけてる
本気でやばい、倒れそうだ

だがこの角を曲がればもう自宅についてしまうし、あとちょっとの我慢だと足に力を入れた





その時





「……あれ…」

足に力が入らない

―かくん

崩れた自分の体は段々地面に近づいていった



そして



私の意識は、唐突に闇へと引き込まれた












第一話
夕化粧 -ユウゲショウ-


.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ