★SHORT★

□憧れの背中
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「でも、さ。オイラだって後輩達に頼られるような・・・。」

「だから、矢口のままでええんや。」





背中が離れて、代わりに頭に暖かい手が置かれた。

見上げれば裕ちゃんが笑ってて。







「矢口の背中は矢口の背中や。アタシにならんでも矢口の背を頼りにしてるメンバーはちゃーんとおるよ。」







「オイラの背中・・・?」

「ん。アンタがあたしになりたいって言う様に、矢口になりたいって思っとるメンバーがいる。・・・ほれ。」





裕ちゃんはオイラの後ろを指差した。
その先には仲良さげに会話している頑固夫婦・・・基、よっすぃ〜と梨華ちゃんの姿。

2人はこっちに気付いて手を振ってくる。





「矢口がアタシの背中をカッコ良い言ってくれるんはすっごい嬉しい。憧れてくれたり、同じ背中になりたいって言ってくれるんも。けど、アンタもあんたの背中作りぃ。アンタを目標としてくれるヤツが居るんやから。」





ぐしゃぐしゃに髪を撫でられて、そう言われた。
・・・照れくさいな、何か。

オイラにも、オイラを目標としてくれる人がいるって分かった。





「まぁ梨華ちゃんはアタシの方が目標やろーけど。」

「えっ?!裕ちゃん今オイラって・・・。」

「だーれも2人とも、とは言うてへんやんか。」

「ぐ・・・・・・うわーん!!裕ちゃんが虐めたーッ!!」

「え゛。い、虐めてへんやろ別にーッ!!」





自分の背中を作る。

うん、裕ちゃんの言う通りだね。

オイラはオイラの背中を作るよ。



でもさ。

やっぱり、オイラはこれからも裕ちゃんの背中に憧れてる。

だって、その背中が、オイラは一番好きだから。











Fin.
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