★SHORT★
□◆笑ったのは死に行く君
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私が貴方の背に向けたのは
たった一発で人を殺せる
冷たい凶器でした。
〜笑ったのは 死に行く君〜
「な、んで…?」
「って言われてもねぇ」
目の前に居るのは良く見知った顔。
彼女は私の大切な友人だ。
なのに。
どうして、私の標的(ターゲット)なのか。
「うそ、嘘でしょ?」
「何が?」
「もっさんが…敵だなんて……」
「あーそれ?ホントだよ。ミキは裏切り者。」
ガチャリ。
鈍く光る銀色のオートマチック。
向けられたのは勿論彼女の目の前にいる私。
けれど、彼女の右腕は血だらけで。
痛みの為か、はたまた別の理由でか、それは直ぐに下げられた。
「殺んないの?」
「ぅ・・あ・・・・」
「・・・ったく。ほら、早くしなって」
彼女はがたがたと震える私の手を取り、構えさせる。
そして壁際まで行くと私に背を向けた。
腕を広げ、少しでも当たりやすい様に態勢をとった。
私の黒のオートマチックが狙うのは、彼女の背中。
隙だらけのその背はもう二度と振り向かないと語っているようだった。