★SHORT★
□よっすぃーより手強い後輩
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地方でのコンサートが終り、娘。メンバー達は新幹線で東京へ向かっていた。
普通は土日の週2日間公演だが、今回は祝日が重なり、三日間のハードスケジュールだったのだ
そんな中、里沙は眠い目を擦りながらも携帯を弄っていた。
どうやら母親にメールを打っているらしい。
「が―きさん♪」
ご機嫌な明るい声が里沙の頭上に降ってきた。
振り返ると後ろの座席から麻琴が身を乗り出し、何時ものふにゃりとした笑顔を里沙に向けている。
「おーまこちぃ。どしたの?」
「へっへ〜♪ガキさんさ、今度のオフ予定入ってる?」
「オフ?いや、特には・・・」
「ホント?!じゃーさじゃーさ!!」
里沙の応えにキラキラした表情になった麻琴は、一瞬座席へ引っ込んだかと思うと直ぐに顔を出した。
そして右手に持った雑誌らしき物を里沙に差し出した。
訳も分からず里沙はそれを受け取る。
「えっと・・・今一番人気、カレーならこのお店へ!・・・・って何これ?」
「見ての通り、グルメ雑誌のカレーコーナー。」
「いやそれは分かってるから。
じゃなくてね、これがどうしたのってこと。」
「あーそっちか。
いやね、ここに載ってるカレーのお店
ガキさん一緒に行かないかなーって。」
「・・・あたし?」
里沙は耳を疑った。
麻琴のカレー好きは皆が知っている。
ハロモニのとあるコーナーでカレーが出た時は、彼女の後ろに犬の尻尾が見えたほどだ。
カボチャが出た時の反応には、負けてしまうだろうが。
話が逸れてしまったが、里沙が自身の耳を疑った訳は麻琴が自分を誘ったところにあった。
麻琴が食事に誘うとしたら愛かあさ美が主な相手だ。
勿論里沙も誘われるが、それは同期でだとか他に誰かいた時・・・つまり複数人の時が多かった。
しかも最近は愛1人を誘うことが専らで、他のメンバーと2人で出かけたりという話は聞かなかった。
「・・・いいの?私で・・・。」
「え?都合悪い?」
「や、そんな事は無いんだけど!!」
「わっ、ガキさん声押さえて!」