★SHORT★

□二人だけの
1ページ/3ページ



ピィーーーーー!! カチャ。 トポポ・・・。





・・・・・ピリリリリリリ ピリリリリリ ピッ!





「はい、もしもし?」

『あ、よしこ?私だけど。』

「あぁ、おはよ。ごっちん。」

『ゴメン、こんな早くから。今大丈夫?』

「ん。平気だよー。」





手にしたカップに紅茶を注ぎながら、ひとみは携帯を肩と頭で挟んだ。

電話の相手は真希。

こんな朝早くに起きていること自体珍しい人物である。





「どうかした?」

『や、別に用事があったとかじゃないんだけどね。今日よしこ休みだって言ってたからさ、何してるかなーって思って。』

「そっか。今んとこは別になんもしてないよ。紅茶入れてただけだし。」

『へえ、意外。よしこが紅茶とか。コーヒー派に見えるけど。』

「そーかな?まぁ元から好きってことではないのは確かだね。ちょっとキッカケが
あってさ。」

『キッカケ?』
「うん。何時だったかな?前にさ、後輩と出掛けた時に偶然入った喫茶店で紅茶頼ん
だんだ。そした
らそれがすっごい美味しくて。それからハマッちゃった。」





ひとみはそう言うと、湯気の立つカップに口をつけ一口啜る。

ほうっと息を吐けば真希が笑っているのに気が付いた。



 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ