★SHORT★
□二人だけの
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ピィーーーーー!! カチャ。 トポポ・・・。
・・・・・ピリリリリリリ ピリリリリリ ピッ!
「はい、もしもし?」
『あ、よしこ?私だけど。』
「あぁ、おはよ。ごっちん。」
『ゴメン、こんな早くから。今大丈夫?』
「ん。平気だよー。」
手にしたカップに紅茶を注ぎながら、ひとみは携帯を肩と頭で挟んだ。
電話の相手は真希。
こんな朝早くに起きていること自体珍しい人物である。
「どうかした?」
『や、別に用事があったとかじゃないんだけどね。今日よしこ休みだって言ってたからさ、何してるかなーって思って。』
「そっか。今んとこは別になんもしてないよ。紅茶入れてただけだし。」
『へえ、意外。よしこが紅茶とか。コーヒー派に見えるけど。』
「そーかな?まぁ元から好きってことではないのは確かだね。ちょっとキッカケが
あってさ。」
『キッカケ?』
「うん。何時だったかな?前にさ、後輩と出掛けた時に偶然入った喫茶店で紅茶頼ん
だんだ。そした
らそれがすっごい美味しくて。それからハマッちゃった。」
ひとみはそう言うと、湯気の立つカップに口をつけ一口啜る。
ほうっと息を吐けば真希が笑っているのに気が付いた。