★SHORT★
□◆読めない闇色の心
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小さく微笑う君に、最上の口付けを。
「―――ごっちん。」
フェンスの上に腰掛ける彼女は、何時もの様に何処か遠くを見つめていた。
不安に駆られて手を伸ばすけど、その背中は広がる夜の闇に同化した様で、時々触れるのが怖くなる。
「ミキティ、この東京(マチ)をどう思う?」
「え?」
不意に彼女から投げ掛けられた問い。
戸惑いながらも隣りに付けば、彼女は唯々微笑っていた。
「沢山の人がいて、活気に溢れてて・・・夢が叶う憧れの街、かな。」
「そうだね。ここから見えるネオン街には人間が溢れてて、色んな意味で明るくて。沢山の幸せがある。」