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それは突然訪れた。知らない電話番号。不審に思いながらも、出た。それが、間違いだった。

『あー、九条音弥?まさか、1回目の電話で出るとはね。あ、僕が誰だか分かるでしょ?』

その声には聞き覚えがあった。俺の嫌いなテロリストの声。忘れる訳がない。

「――、J」
『正解。敵から掛かってくるなんて思ってなかったでしょ?僕はね、君と取引をしようと思ってるんだ』
「断る。俺はテロリストが嫌いだ。お前たちと取引なんてする気はない」
『そう言うと思ったよ。でもこの取引は君にとってとても大事だと思うよ。まぁ、簡単に言うとファルコン―高木藤丸についてなんだけど、ね?』
「これ以上、藤丸に何をする気だ?」
『それは言えないなー。でも、今から言う場所に君一人で来てくれるなら、教えてあげるよ』

一方的に場所を言われ、電話は切れた。これが全ての始まりだった。その時の俺はまさかこんな事になるなんて、全く想像してなかった。


知らない電話番号

(これ以上、藤丸を傷付けてほしくなかった)(それだけが、俺を動かしてたんだ)



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