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言われた場所まで、俺は走っていった。自分の身など気にせず、ただこれ以上アイツを巻き込んでほしくない…その一心で。

――辿り着いた(指定された)場所は、廃墟。剥き出しの鉄筋。入り口の先は真っ暗な闇で中は見えない。それでも、俺は進んでいった。カツン、カツンと階段を上れば目の前に扉。待ち受けていたようにその扉はあった。それが逆に怖かった。真新しい扉。まるでこのためだけの様に作られている…(一瞬、躊躇ってしまう)それでも、俺はドアノブに手をかけて、扉を引いた。

「ようこそ、音弥。そして、おやすみ」

電話越しに聞いた相手のJの声が真っ暗な部屋から聞こえたかと思ったその時に俺は意識を失った。

「…馬鹿な音弥。まさかこんな事で来てくれるなんてね。そんなにファルコンがいいの?でも、もう帰してあげないよ」



仕掛けられた、罠
(コレも君を手に入れるための、嘘)




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