『宝石商の旦那様、この前はオペラ座のご招待有り難うございました。やはりVIP席からの観賞は格別ですな!』
『おぉ、大地主の旦那様。いや、喜んでいただいて光栄ですよ。』
『次は是非とも、私があの空飛ぶギャンブル場“ブラックジャック”にご招待いたしましょう。』
『あら、奥様。その指輪素敵ね〜!大粒のルビーが美しいわ〜。』
『いえいえ、とんでもございませんわ。ほんの5カラットの安物ですのよ〜。ほほほ!』
お城のような家の中は、高価なアンティークものの家具や雑貨が。
高い天井には煌めくシャンデリアと、足元を紅絨毯が鮮やかに広がる。
上質なシルクや毛皮を身に纏い、高級な珍味をお上品に口にする。
ここで重要なのは武力ではなく、権力や財力がものをいう。
どのくらい土地が広いか。
どのくらい資産があるか。
どのくらい有名であるか。
人々は各々の財産で闘い、見栄(プライド)を競い合う。
貴族たちのお遊びの場であり、戦場でもある、この華やかな街の名は、ジドール。
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優雅に生きる様
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≫あとがき
名場面シリーズ!今回はジドールです。
勝ち組でありつづける大変さ。
貴族は貴族なりの闘いがあるんでしょうね〜。
ご愛読ありがとうございました。
(2009/4/25)