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□One Year -for Mash-
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『マッシュよ。ティナには明るく振る舞うよう、なるべく気にかけてくれ。』

『どうしたんだい?』

『彼女は長い間、意識を抑え付けられていたから、感情の表現がうまくできないでいるんだ。
人の感情に戸惑って、いつも思い悩んでしまう。』

『でも、そうしたのは帝国のやつらだ!ティナのせいじゃない。』

『そうだ。紛れも無く、帝国の"人間"だ。
それに気付いて、人間に不信感を覚えるかもしれない。
いいか、ティナは人間だが、幻獣でもある。
彼女には、人間を畏れるものだと思ってほしくないんだ。』

『…幻獣と人間のハーフ…か。
あぁ、そうだな。分かったよ、兄貴。』

『本当は俺がずっと傍にいてやりたいが…。
こんな時、老若男女問わずモテる国王の身は辛いな。ふぅ…』

『……(せっかく良いこと言ってたのに。最後は余計だぜ、兄貴…)』















One Year
-for Mash-
















「お絵かき好きな女の子と老人?どこの家族かしら?たいていの家庭にはいますからねぇ。」

…あ、まぁ、確かに。




「女剣士とドロボウ(っぽい)男?
なに?あんた、おたずね者でも捜してんのかい?」

ぉ、おたずね者!?…いや、どっちもある意味正解か…?




「顔に傷のある男か、犬を連れた黒装束の男?
そりゃどっかの大道芸人たちかい?」

う〜ん。こっちもある意味正解…?(戦闘法的に)




「はて?ほしにくと刀を持った上半身裸のサムライ少年じゃと?
よぅ聞こえんの〜。」

あー…、ダメだ。聞く相手を間違えた。




兄貴は、…大丈夫な気がする。
フィガロの王が亡くなったと分かりゃ、きっと大ニュースになるだろうし。




…あとは、…ティナ。

本人の意思がなかったとはいえ、帝国軍だったんだ。
顔を知っている者がいれば何されるか分からない。

もし、蔑まされたら?
もし、また利用されたら?

彼女はまた、独りで悩み苦しむ…

兄貴たちと共に過ごしていくうちに、ティナも表情が豊かになってきたんだ。
控えめだけど、笑ったり、怒ったり、泣いたり。

せっかくここまで来たのに、台なしにしてたまるか!

誰かが傍にいてやらなきゃ。
あの時、そう兄貴が言ってた通り……










「おい!見たかよ、この新聞!」

「ああ、モブリズの壊滅だろ?
ひでぇ話だよ。」



モブリズの…壊滅!?



「なぁ、その新聞見せてくれないか。」

「あ?あぁ、いいぜ。やるよ。」



ニュースペーパーか…。
こんな荒れ果てちまっても、世界は機能しているんだな。

…人は弱くなんかねぇよ。











========速 報========

裁きの光によりモブリズ壊滅!

かの天変地異以来の大事件勃発!
沈黙を続けていた大魔導士が動き出した!?
驚異的な力の犠牲となったモブリズは現在――

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裁きの光…!?
三鬪神を解放した時の、あの力か!

ということは、あの塔のてっぺんにあいつが……















なぁ、道化師…

そんな高けーとこで何を見てるんだよ。
あんま上ばっか見てると、足元掬われるぜ!
お前が見下している"人間"にな!!




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必ずお前を止めてみせる!

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