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□One Year -for Edgar-
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国王失格だな……










目を覚ました時、一番に頭に浮かんだのは、



マッシュやロック、仲間たちだった。



それこそ、国民や神官たち、フィガロ城でもなく…。
一国の王として、あるまじき事だろう。

しかし、俺は一人の人間―仲間―として、そう思ったんだ。



それじゃあ、いざ、仲間探しだ!



…と、いうことにはならなかった。



動き出した時にはすでに心は決まっていて、気付けばフィガロ城へと向かっていた。
真っ先に頭に浮かんだのは仲間たちなのに、次の瞬間には城に向かっている自分がいる。

…なんと矛盾したことだ。

だが、これでいい。
国を蔑ろにしてまで皆を探しに行けば、きっとマッシュあたりに怒鳴られるだろう。



「こんなところで何してる!!」ってな。



そうだ。私には国王としての責務がある。
仲間たちのことはあいつに任せておけばいい……















One Year
-for Edgar-


















さて…。城へ戻ろうとは言うものの。
ここはニケアの町か。
地形が大分変わってしまったらしいな。
フィガロ城までどう行けばいいだろうか……











「なぁ。フィガロ城は今、地中で身動きがとれないらしいぜ。
機械の故障だとよ。」

「おお!それじゃあ、俺達の宝を取り戻すチャンスだ!
脱獄してきた大ミミズの巣からまた行こうぜ!」

「秘密の洞窟から行けば侵入はたやすいしな。」

「だが、誰が指揮をとる?連携できないと城内の警備を破るのは難しい。
それに、フィガロ城内の地図はボスが持っていた。」

「俺らのボスはあの天変地異に巻き込まれちまったからなぁ…。
地図がなけりゃ、厳しいぜ。」



……こいつら、盗賊か?
フィガロ城に詳しいな。
いつの賊だか覚えていないが、城に侵入した前科があるようだ。

それより気になったのは…


『秘密の洞窟』


どうやら、私には幸運の女神が味方してくれているらしい。










「君たち!話は聞かせてもらった。
その秘密の洞窟とやらに案内してくれないか。」

「なっ!?何だテメェ!」

「勝手に俺らの話を盗み聞きとは、いい度胸だな!」

「表に出ろ!!」



ふぅ〜、やれやれ。
これだから野蛮な男は嫌だ。
聞く耳もない、品のかけらもない…。
それに、盗み聞きとは心外だ。
君たちの声が大きいのではないか。



「いやいや、怪しい者ではない。
君たちのボスをちょっと知っているくらいだ。
フィガロ城の倉庫への道を聞いている。」

「ボスを!?」

「倉庫への道!?」

「ああ。君たちがフィガロ城まで案内してくれるなら、宝のある倉庫への道を教えよう。
そうそう。これは君たちのボスから預かった、(本当はフィガロ家の)城内地図だ。
私が代わりに導いてやってほしいとのことさ!」

「ボ、ボス…ッ!」

「最後まで俺らのことを思って…ッ!グスッ」

「あんた、ボスの代わりにボスになってくれんのか!?」

「約束しよう!私は君たちを裏切らない。
必ずや宝を手に入れさせると!
そう!君たちのボスに誓ってな!!(キラーン+)」

「ぉお〜!!」

「俺らの新しいボスだ!!」

「ついていきます!ボス!!」

ウオーーーッッ!!!!



本当なら、ここは黄色い声が欲しいとこなんだが…。
私の女性専用口説きテクニックが、こんなところで役に立つとは。
しかも、男に…。










「そうだ!あんた、名前はなんていうんだ?」



「…名前?

俺の名は……










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荒くれ者のジェフって名さ

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