Y

□One Year -for Gau-
1ページ/2ページ



ガウ、ゆめ…、みた…


…ゆめ?

ううん。ほんとは、ゆめ、じゃなくて、


あれは……















One Year
-for Gau-
















「みんな、はなればなれ…」

どうしよう…

これから、ガウ、どうしよう

どうしよう…


……―――















“っ!…獣の子!獣の子!”

ゥウウ〜…ッ!?…ガウ!!?

“待って!待って!怖がらないで!キミの夢の中に話し掛けているんだ。”

ガウ、ねむって…?

“うん。ルクの羽の中でぐっすりね。この怪鳥が心許すなんて…!”

“黙れ、化け猫!”

“ひゃ〜こわいこわい!”

おまえ、ルクってゆーのか。けものがはらにいないやつ…。あったかいな…。
…おまえは、ストレイキャットににてる。

“ボクはリカオン。同じ猫科だからね。
でも、あいつらより強いぜ?戦ってみるかい?”

う…ん。おかしいな…、ガウ…起きれないんだ…

“それはそうだろう。三頭神の強大な圧力を受けたのだからな。
そのストレスが出たのだ。今はこの羽の中で休むといい。”

おまえたち、なんで…?なんで、ガウに…?





“生きて…”

ゥ?

“生きろ。そして帰るのだ。
お前が育った地にいる魔物たちが必ずお前を強くする。
獣の子のお前なら、きっと力を得られるだろう。”

かえる…?つよく…?

“そうだよ。強くなって、あの人間を倒して!あいつは神なんかじゃないよ!”

でも、…ガウまけた。ウヒョウヒョにまけた。

“まだ、終わってはいない。”

みんなも、はなればなれ…

“キミは仲間を信じないの?”

わからない…。ガウ、わからない〜…

“キミは今、道に迷っているだけ。”

“目的を見失うな。大切なものは何か、思い出せ。”

ガウのたいせつ…

“守りたいもの、思い出して。”



まもりたい、ガウのたいせつな…もの…










『拙者はカイエン。で、こっちがマッシュ。』

『やれやれ、やっかいなやつが仲間になったよな…』

カイエン、マッシュ…

みんな……





ガウ…みんな、たいせつ…!

“そのキミの"たいせつ"を守るためには、力が必要なんだよ。”





ガウ、つよくなる…!もっとつよくなる!
ガウのたいせつな仲間、まもる!

ガゥウウーーーッ!!





“…案ずるな。
お前の仲間は、いつも世界が見護っている…――”

……―――















―パチッ

「…ウゥ、…ウ?」

グァーッ

「ルク…。ずっとガウまもってくれて…?」

ミャーッ

「リカオン…おまえも、ありがとう。ガウ、もーへいき!
ガウ、つよくなる!だから、けものがはらかえる。
バイバイ!おまえたち、わすれない。」















“あの子たち人間が勝ったら、魔法はこの世から消えるんだね。”

“おそらくな…。千年前のような"封印"ではなく、真の"消滅"だろう。”

“そしたら、ボクたち魔物もみんな消えるのかな……”

“我々魔物は三闘神から生まれたのだから、もしかすると…。
心配なら、なぜ助ける…?”

“なぜって、……”





------------------

魔物だって、
平和くらい望んでもいいだろ?

------------------



次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ