Y

□One Year -for Tina-
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キャー!キャー!

裁きの光が狙ってる!

子供たちを!!

パパー!ママー!

うわぁぁん!!










―ゴォォオオッ…ォォオオオオオオッッッ……










…ッッ!!!!!
















One Year
-for Tina-











……ここは…?


「うぇぇん!うぇぇえん!」


誰か…、泣いている…





「あ、あの…」

「ッ!?…だ、だれ?」

「怖がらないで!私は何もしないわ。
見て、何も持ってないでしょう?」

「…おねぇちゃん、だれ?よそのひと?」

「えっと、…ええ、そう。遠い所から来たの。
人を捜しにここまで来てしまって。
ぁ。…あなた、足怪我しているの?」

「…うん。おうちにかえろうとしたら、穴におっこちたの。」

「ちょっと見せてくれる?」

本当は人前で力を使いたくはないけれど……


<ケアル>――フワッ


「わぁ〜、温かい。おねぇちゃん、まほーつかい?」

「…ぅ、ぅうん。おまじないよ!」

「あったかくて、なんかママの手みたい!ふふふ。」

―ママの…

「ねぇ、おねぇちゃん!モブリズに来て!
ケガしている子がまだいるの!ねっ、おねがい!」

「ぇ、え。」










「ディーン!カタリーナ!」

「おい!どこへ行ってたんだ!外は危険だから出るなと言っただろう!」

「ディーンの言う通りよ。心配したんだから。
…その人は?」

「まほーつかいのおねぇちゃんだよ!ケガを治してくれたの!」

「まほう…つかい?」

「魔法…?
あんた、この子を助けてくれたことは礼を言う。
だが、得体の知れないよそ者をこの街に入れるわけにはいかない。
お引き取り願おう!!」

「ディーン、そんな言い方は…!」

「ぃ、いえ!その通りだわ。ごめんなさい、出過ぎたまねを…。
すぐに出て行きます。」

「ええー!ダメだよ!!
ねぇディーン、おねがい!おねぇちゃんにみんなのケガ治してもらおうよ。」

「ディーン、私からもお願い。苦しんでる子たちをこれ以上見たくないわ!」

「…カタリーナ。
……仕方ない、分かったよ。」










「…ごめんなさいね。
モブリズがあの裁きの光に遭ってから、ディーンは魔法とか不思議な力に敏感なの。」

「…ううん。ディーンの反応は当然だわ。気にしないで、カタリーナ。」

「…ありがとう!みんなの怪我も良くなったみたいだし。
来てくれたのがあなたで良かったわ。」

「わたしがママをつれてきたのよ!えっへん!」

「マ、ママ!!?…私が?」

「そうよ、ママみたいに温かいんだもの。
ねぇ!ここに残って、わたしたちのママになって?」

「わ…私、ティナっていうの。ママだなんて、そんな…」

「じゃあ、ティナママね!」

「わーい!ティナママ!ティナママ!」

「ぼくたちのママだー!」

オロオロッ…










そう、この時から…

ママだなんて呼ばれたこの時から、私の中の何かが少しずつ変わっていったんだわ。

何かは分からない。
でも、この違和感の正体を知ろうとすればする程、なぜか魔力が衰えていく気がする…。

まだ…この時は気付きもしなかった。
これから私の身に起こることを。


私の心に起こる変化を……










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芽生え始めた、この感情は…

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