02/22の日記

23:38
焼きうどん Part 2
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この日記は
Part 1 のほうを読んでからにしていただけると
ありがたいでーす



Part 1 を読んだ人は
コチラ













ハイ では さっそく



『……尾崎ぃー

…あともう15分くらい
うちの部屋で待ってて』



「…………え、」




電子レンジのほうから何だか不吉な音がした直後に聞こえてきたのびちゃんの声



なんだかだいぶ焦ってるみたいだったけど
『いいから 待ってて!』
と急かされたので
とりあえず部屋に入る


「ど、どうしたの;;?」
って聞きたかったけど

のびちゃんは
うちを部屋まで連れていくとすぐに
外に出てしまった。

5分でさえ
酷く長く感じたというのに15分とまでなると

かなりヒマだなぁ…



そう思って

ひなたちゃんに構ってもらおうかとも考えたけど

(じつは
尾崎さんは大の動物好き)

どんなにアプローチをしてもやっぱり彼女はまったく振り向いてくれる素振りを見せない…



(まぁ、あんまし
対したアプローチもしてないがな)



軽く失恋したような気分で携帯をいじることに専念する


そして

しばらく経っただろうか


そのあいだも
ずっと携帯をいじっていたうちだったが

なんだか部屋の外から

クスクスと笑い声が聞こえたような気がして
ひとまず携帯を閉じる


すると

『お、尾崎ぃー…』

というのびちゃんの声が聞こえてきた

すぐに
「なにー?」

と言葉を返すが

のびちゃんは何も答えない


っていうか





めちゃくちゃ笑ってる


繰り返し『尾崎ぃー…』と呼んではのびちゃんはひたすら笑い声をあげ

そのたびにうちの中の謎は深まるばかり



″果たして
うちの焼きうどんは

…無事なのだろうか″



そう思っていると
うちのそんな心中を読んだかのように

のびちゃんママが

声をあげた



『いいからそれ
″ハイ、焼きうどん″
って言って渡せばいいじゃない。』



でも


のびちゃんの笑い声は止まらない



とそこでうちも

とある嫌な予感が頭をよぎった



″もしかして…″



″いやもしかしなくても″

″のびちゃん″


″もしかして
うちの焼きうどん

ダークマター(黒焦げ)になっちゃったのぉー??″



と慌てたその時


――ガチャッ

と扉を開けて
のびちゃんが部屋に入ってくる


そしてうちの前にくると

手に持った皿を差し出してきた


『ハイ、焼きうどん』



え?と思って
差し出された皿を覗き込む



そしてすぐに

絶句?した



たしかにのびちゃんは
″ハイ、焼きうどん″

って言って皿を持ってきてくれたけど何コレ?



もしかして

人間が食べられないものになってるかもー とか心配してたけど何コレ?




いや……コレ




どー見ても




「コレオムライスでしょ」


うん

絶対そうだ

たしかに
どー見ても人間が食べられるものではあるけど


どー見てもコレは
さっきセブンイレブンでうちが買おうとして値段が高過ぎるからって諦めたあの、オムライス





でものびちゃんは

『いや、コレ
″焼きうどん″だから』

と言い張る



ごめん、のびちゃん


コレはどんなに視力の悪いうちでもわかる


完全にこの食べ物は
焼きうどんなんかじゃない

オムライス


だけど
のびちゃんもやっぱり

一歩もあとには引こうとしない


「わざわざセブンに行って買ってきてくれたの?」

″ごめん
なんか奢ってもらっちゃったみたいで…″

と言葉を
続けようとしたけど

すぐに

『コレ焼きうどんだから』
というのびちゃんの言葉に遮られる


それで

「なんでオムライスになっちゃったの?」

って聞いたら

『なんか電子レンジで4分加熱したら
こんなふうになった』


と言われ、つい

お前はMr.マリックかッ!?

とツッコミをいれる


焼きうどんっていうか

もはや麺類でもなければ

和食?でもない

なんか黄色い卵まで乗っている

それでものびちゃんは
″焼きうどんだ″とあくまで言い張るので

うちも
早々に折れて
″焼きうどん″のつもりで

その食べ物を口にした




どんなに食べても
その味はまったく焼きうどんのソレとは異なったが


もともと
買おうとして高すぎた値段のせいで食べるのを我慢したうちにとっては

とっても美味しくいただける代物だったという。




のび様
ごちそうさまでした。






後日

学校で
のびちゃんに聞いたところによると

本当は
550ワット 3分30秒とあるところを

500ワットで一応4分加熱していたらしい


のびちゃんママに
いつまで加熱してるのか
と言われて

電子レンジを止めたところ

焼きうどんの皿はかなり熱くなっていて


取り出そうとしたら



ベリベリベリ…!!

と変形して


同時に焼きうどんが
どばどばッっとこぼれたと思ったら



なぜか…




気が付くと





いつのまにかそれは









オムライス
変わっていたという。





いやァ

まさかこんなところで
世にも奇妙な現象にみまわれようとは…!

夢にも思わなんだわ。


とれびあん…

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