12/10の日記

22:44
『この聖夜くらいは』/遥か4ss/忍千
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吐く息が白い。

もうこちらに来てから、こんなにも時がたったのか…。
色々あった。
思い返すと、とても一瞬の出来事だったようにさえ思えてしまう。

ほんとうに、色々あった…。

「はぁ…」

吐く息が白い。

仕事に追われる毎日。
生き抜きも必要だ、と周りのみんなから言われて、渋々(嬉しいけれど)外にでてきた。
久々にゆっくりすごす時間は、とても気休めになった。
落ち着いて物事を考えられる。

(そういえば最近は、こういう時間、なかったなぁ。)

「はぁ…そろそろ、仕事に戻らないと…」

吐く息は白い。

今日は現代で言うところの、クリスマスあたりだろうか。
雪も降っている、向こうでは、恋人たちが幸せそうに町を歩いているのだろう…。


吐く息は、白かった。

「こんなところに居たのか。」


「…っ!」

「今夜は寒い、身体が冷えるだろう。」

「忍人、さん…っ!?」

「千尋、君は王女となったのだから、体の管理は自分でしっかりしてほしいものだな。」

「…っ」

なんで、なんて言葉は出なかった。
なんでもよかった。あなたがここにいる。

でも、
(やっぱり、『王女として』心配してくれてるのね。)

「…と、言おうかと思っていたのだが。」

「…え?」

「今日は、特別な日だと聞いた。
 夜空を見て、何か思うことがあるんだろう?」

(まさか、忍人さんと一緒にいたいと、考えてたなんて、言えない。)

「…手が、」

「…?」

「手が、冷え切っているな。」



「えっ忍人さん?」

「この聖夜くらいは、君を暖める役を、やらせていただきたいのだが、」

「…っ!
  えっと、はい…っ」



嘘みたいに、暖かかった。

何故ここにいるの?
何故こんなにも暖かいの?

…それは全て、この聖夜が私にもたらした、奇跡のプレゼントなの…?


ああ、なんでもいい。

あなたが、今ここにいる。


『このまま、時間が止まってしまえば、いいのに――…』



――ああ、あなたがここにいる。


―――――――――

多分、忍人EDをクリアした人と、してない人とだったら、見方が変わると思います。
なので、EDクリアしてない方は、またクリアしてから見てくださると、違ったものに見えると思いますよ。
イラストも、
「え…まさか!?」
って思うかもしれません。白いもやのあたり。
…なんて、言ってみたりして(笑)
とりま、EDしてからのお楽しみです!←

必要ないSS失礼しましたー(*´ω`*)←←

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