starry☆sky

□風邪
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「やっぱり熱あるじゃない。馬鹿ね」

「君に馬鹿って言われるとは心外だな」

「ほらほらもう今日は家に帰んなさい!ノート書いておいてあげるから」



とある大学。のとある教室での講義中。
私とよく一緒にいるもじゃ眼鏡・・・水島郁が熱を出しているのにもかかわらず来ていることに気付いた。



「でもあと少しで講義終わるし」

「だーめっ後で酷くなっても困るのは郁だよ?」



さっきからこればっか。
すぐ帰るとは思わなかったけどまさかここまでとは・・・。



「早く帰りなよ。いつも一緒に居る私に風邪をうつさないでよね」

「大丈夫だよ。馬鹿は風邪ひかないって言うから」



がつん



「っ・・・!!」



思いっきり机の下にある郁の足を踏みつけてやった。



「早く帰れ!」



小声で叫ぶ。もし新型インフルだったらどうするんだっての・・・。



「・・・」



郁の小さなため息が隣から聞こえた。
やっと帰る気になったのかな。隣を見てみるとノートをしまいこんでいる郁。

な、なんか悲しそうな顔してる・・・っ。
あたし言い過ぎた、かな・・・?



「・・・・・・・郁?」



小声で呼びかけてみる。郁は悲しそうな諦めたような顔をしてこっちを振り向いてくれた。



「ちょっと…その…きつく言い過ぎたね。でもね、郁の体調心配して言ってるんだよ?」

「…うん、分かってる。だから今日はもう帰って家でおとなしくしてるよ」



ほっとした。家でゆっくりして熱を下げるのが一番だよ。うん。



「そのかわり」



ほっとしたのもつかの間だった。郁はいつもみせる明らかに悪巧みしてる顔で私を見た。



「講義終わったらすぐ看病しに来てね?」



ああそうか。こいつはこういうやつだった。
でも・・・まぁ・・・



「・・・すぐ行くから家でおとなしくしててよね」



早く治ってもらうためには私が看病するしかないのか。





風邪
(次の日私が風邪ひくなんてなんとなく予想してたんだ)



090916
郁に看病されると大変なことになりそう


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