starry☆sky

□10月13日
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あいつは放課後、いつもどうりに保健室に来た。
でも手に持っているのはいつもと違う。



「先生、今日は10月13日ですよ!」



・・・そうだな、だからどうしたんだ?と俺に寄って来るあいつに聞く。
本当は分かってる。今日は俺の誕生日。
きっと手に持っている紙袋はプレゼント。違ったら残念な気もするな。



「ちょっと、自分の生まれた日を忘れちゃ駄目ですよ。今日は先生の誕生日でしょう?」

「ああ、そーだったな」



俺が普通に言うとあいつは手に持っていた紙袋を俺に差し出してきた。



「えっと・・・プレゼント、です。先生って何ほしいかわかんなかったから、先生の為になるものを選んだつもりなんですけど」



差し出された紙袋を手にとって中身を出してみた。



「・・・」



靴下だった。



「ほら、先生っていつも靴下はいてないじゃないですか。これからの季節寒くなるし、水虫とか出来ちゃうかもしれないって思って」



郁や直獅から靴下をもらっても嬉しくもなんともないかもしれない。
ただ、こいつから貰うと何だかとても嬉しくなってしまう。

これは俺はこいつのことを愛しく思ってるからか?



「ありがとうな。寒い日に履くようにする」

「本当ですか?喜んでもらってよかったです」



こいつは本当に嬉しそうに、満面の笑みを浮かべた顔を俺に向ける。
お前の笑顔が見れただけで俺は最高のプレゼントを貰ってるよ。



「靴下ともうひとつ欲しいんだが」

「え?何ですか?」



先生の誕生日だから何でも聞きますよとこいつははりきって言ってくれた。
俺はこいつを腕の中に収めて言う。



「お前が欲しい。この先もずっと、俺の隣に居て欲しい」



抱きしめたときに驚いたこいつも、こう言われるとえっ?と小さく驚いたようだ。
しばらくそうしていると腕の中にいるあいつが小さく動いて、小さな手が俺の背中に回されるのを感じた。



「私は先生の隣を誰かに譲る気はないです。私も、先生に隣に居て欲しいです」



小さく、でもはっきりこいつは言った。


今年の俺の誕生日。絶対に忘れられない日になったな。




10月13日
(俺の心は、お前のものだよ)



091015
遅れてしまった!ごめんね琥太郎せんせ!はっぴーばーすでー!愛してるよ!


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