starry☆sky

□秋の近づいてくる日
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「っくしゅん!」



寮までの帰り道。歩いて帰っているとくしゃみが出た。



「あ"ー・・・やだやだ」



もう夏は終わりに近づいてきてる。
蝉は相変わらずうるさいけど吹いてくる風はすこし冷たい。
そろそろ冬服にかえなきゃなー。



「大丈夫か?馬鹿は風邪ひかねーっていうけど嘘かもな」

「あたしが哉太より馬鹿?いやいやありえないし」



隣を歩いていた哉太があたしを茶化してくる。



「錫也に聞いてご覧よ。あたしと哉太、どっちが馬鹿だと思う?って。真っ先に哉太っていうよ絶対に」

「もしかしたらその逆もあるかもしれねーじゃん」



ないってば。そう言おうとすると



「・・・へっくしゅん!!!」



お隣から大きなくしゃみが聞こえた。哉太のくしゃみだ。ちょっとびっくりした・・・



「本当に馬鹿は風邪ひかないっていうの、嘘かもしんないね」

「それは俺が馬鹿だといってんのか?」

「あ、もっと遠まわしに言えばよかった?」



あはは、と笑って哉太に言う。



「それにしてもだんだん寒くなってきてんなー・・・」

「そーだねぇ・・・明日も寒いかもね」



二人して肩を並べて歩いているといきなり哉太があたしに片手を出してきた。



「ほらよ」

「あたしにお小遣い求めても哉太には1円もあげないけど?」



そうじゃねーよ、と哉太は少し頬を赤くしながらあたしの片手を握った。



「、哉太?」



いきなりの事であたしも赤くなってしまう。



「寒いから、寮につくまで手握っててやるよ」



こっちを見ないで哉太が言う。きっと今の哉太、顔真っ赤なんだろうなーとか思っていると哉太が歩き出した。



「ちょ、哉太!速いよ!」

「うるせーよ!ほら、行くぞ!」



大またで道を歩く哉太をあたしは無理やり止める。



「もっとゆっくり歩こうよー!」

「はあ?何でだよ。お前だって寒いだろ?」



そう、だけどさ



「哉太の手、もっと握っていたいし・・・」



最後の方はぼそぼそって言ったから聞こえないはず。だって恥ずかしいし・・・。



「だから、さ。ゆっくり歩こう?ていうかゆっくり歩かせる」



少し先にいた哉太の隣にいってあたしのペースにあわさせる。



「仕方ねーな・・・今日だけだからな!」

「はぁーい」



今日だけだからっていうけどきっとまたしてくれる。だって優しい哉太だもん。




秋の近づいてくる日
(寮につくまで哉太はずっとあたしの手を握っててくれた。
あたしのペースにずっと合わせてくれてた)



09/09/02
だんだん秋が近づいてきましたね。


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