コラボ作品の部屋

□アリーナの悲しみ クリフトの悲しみ
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アリーナの反発する力が弱くなったことを感じ、クリフトは更に続けた。


「私には、姫様の悲しみが自分の悲しみなのです。非力な私ですが、私は、いつどんなときも、姫様の第一の家臣でおります!」
「・・・ですからどうか、共にこの試練を乗り越えさせてください!私は精一杯努力し、必ずや王様と城の皆様を取り戻してみせます!」

「クリフト・・・!」

何でも自分で背負い込む彼だ。
今までも、努力に努力を重ね自分の側に居続けてくれた。
今回の事も、自分の力になり支えとなり、励ましてくれるだろう。

「クリフト・・・!ごめんなさい!!」

アリーナはクリフトの胸で泣きじゃくりながら、さっきの言葉を謝罪する。

「サランの孤児だなんて・・・。クリフトのお母様を亡くされた経験が、私を救ってくれたこともあったのに・・・。」

かつてアリーナが王妃を失ったとき最も心を開き、癒してくれたのはクリフトだ

・・・そう。そんな小さな時から、クリフトは私の側にいてくれる。

これからも、ずっと・・・。
アリーナはクリフトを見上げた。
クリフトは、その頬に残った涙を指で拭う。



二人は見つめあい、絡み合った腕にお互いの力を込める。

「これからも、ずっとお側に・・・。」



その時、「いい加減に離れんか!!」というブライの罵声と共に二人は我に返り
、顔を赤らめながらパッとと離れた。

「いくら皆が消えたとはいえ、ここは我らがサントハイムの城!わしはアリーナ様の教育係で、クリフトの上司の上司の、そのまた上の上司じゃ!そのことも忘れるな!!」

そういってニヤリと笑うブライを二人で囲み、三人は力を取り戻した。

「ブライ!そうね、城はまだ、残っているんだもの!」
「帰る家はあるということですね。それでは、帰る人々を探しに参りましょう!」
「これからは、もっとビシバシいきますぞ!わしの目前で姫様が弱ったところに付け込もう何ぞ、百年早い!!」
「ななっ!ブ、ブライ様、私をそのような男と思っておいでなのですか!?私の気持ちは、嘘偽りなく・・・!」
「嘘偽りなく、なんだというのじゃ?」
「ぐっ・・・!そ、それは・・・!」
「ねぇ、さっきから何の話?クリフトは何を言おうとしているの?」

「まだまだ言えんような青二才と、超鈍感姫のお守りをせにゃならんのか・・・。こりゃ、早く皆を見つけねば・・・。」

「ねぇ、なんのことー?」「コ、コホン。・・・ああ、そうだった、そこのスライム君。君は、何か知っているのかな?」
「ちょっと、ねぇってばー!」


おわり





とっても素敵なお話、ありがとうございました♪

マメさんの描かれるクリフトくんは優しさ、いたわり、そして決めるとこは決める(完璧に決め切れてないのも、また彼らしくってキューンです☆)男らしさに満ちていて、

読んでいるといつも顔がニヤニヤ(*^▽^*)

絵をお渡ししたとたんにすぐ書きあげて下さる豊かな発想力にも脱帽です♪

ぜひまたコラボさせて下さいね<(_ _)>
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