MEMO

小話置き場。
小説と呼べる程の出来ない話や設定を随時更新。
◆ZC.でっかい子犬 



「…甘えた。」

「んーなに、重い?」

「暑い。」

「オレは丁度イイな。」

「いい加減離れたら?」

「ヤダ。」

傾いた日差しと柔らかな風に意識を奪われ、心地の良い微睡みに包まれていた日曜の午後。
ふと感じた違和感に瞼を開けば、膝上に、いつの間にか図体も態度もでかい子犬が居座っていた。
かの者は確か、今晩まで長期ミッションを組まれていて、ここにはいない筈だったのだけれど。

「アンタ、ミッションは?」

「終わった。」

「報告書は出したの?」

「んー…」

「ザックス。」

何かあったの?とは、流石に聞けなかった。
そんなの、あえて口にしなくとも答えなんて分かっていて。
いつもは五月蠅いぐらいに騒ぐ饒舌な口が静かなのも。普段、無駄に明るい笑顔を貼り付けている顔を両腕で隠しているのも。温もりを求めてこうして寄り添ってくるのも。
理由はたったの一つだけ。

(アンタ、弱ってるんでしょ。)

決して口にはしないけど。行動のひとつひとつがそれを物語ってる。
天下のソルジャーがそれでいいの?と思わなくもないけれど。
そんなアンタを愛しいと思う気持ちも嘘じゃない。

「そんなだから、子犬って言われるんだよ。」

「…うん。」

「ほんと、甘えたがり。」

「…うん。」

「そんなトコが好きだけどさ。」

「クラウド…。」

「好きだよ、ザックス。」



******ZC.でっかい子犬



だから早く元気を出して。

2010/03/14(Sun) 23:15 

◆JS.夢 



ゆらゆら。ゆらゆら。

視界は揺れる。

ああ・・・、此処は何処だろう。

視界は白い世界に支配されていて、体は宙を漂っているように心もとない感覚だけが支配する。

手にも足にも力が入らず、唯"其処"にいるという認識だけが俺の意識を明確にしていた。

どうして・・・こんな所に?


『シリウス・・・。』


ああ・・・誰だ。俺の名前を呼ぶのは。


『起きて、シリウス。』


聞きなれた声。知ってる。お前は・・・


『早く、起きてよ。シリウス。』


お前は・・・−−−



"ジェームズ・・・・?"


手を伸ばして。懐かしい声の主を捕まえようと両手を宙に彷徨わせる。しかし何の手ごたえもなく、変わらぬ視界に苛立ちは募った。
白い世界に辟易して、視界を閉ざす。そして、"変わっていろ"と念じながら、閉じた瞼をそっと開いた。



「シリウス、やっと起きたね。」

呆れた顔をしてあちこちに跳ねた髪と綺麗なグリーンアイズが目に飛び込んできて、俺はゆっくり、詰めていた息を吐き出した。

「ああ・・・おはよう、ハリー。」

「おはよう、シリウス。」

愛しい名付け子の顔を見つめながら、俺はどうしようもなく泣きたくなった。



******JS.夢



ああ、もうアイツはいないのだった。

2010/03/13(Sat) 20:49 

◆Z+C.それがどうした 



「やべぇ、キタ。」

「え、何が?」

「恋の予感。」

「…寝言は寝て言え。」



******Z+C.それがどうした



妄想族ザックスとその友人A

2009/07/19(Sun) 15:50 

◆ZC.おかえりなさい 



涙が出た。

はらはらと舞い落ちる滴は頬を濡らし、拭う手を湿らせて。揺れる視界に映るアンタの姿に、俺の涙腺は壊れたまま、止め処なく溢れて止まなかった。

「なぁ、笑ってよ。」

懐かしい笑顔でそう言うアンタに、俺は緩く首を振る。
無理だよ、と。言葉に出来ないまま首を振り続ける俺を柔らかな温もりが包み込んだ。

「じゃあ、オレの名前呼んで。」

お前の声で、オレを呼んでと。甘く優しく耳に届く声と言葉に俺の胸はぎゅうぎゅうに締め付けられて。
ああ、堪らない。

「ザ、ックス…」

縋り付くように彼の背に腕を回す。昔より伸びた身長でも、俺の頭は彼の肩口にしか届かなかった。

(ザックス、ザックス…ザックス!!)

触れた手の平から、腕から胸から体中から溢れ出す気持ちが抑えきれなくて。
こうして触れ合って、ぎゅうぎゅうにアンタを締めつけている腕から、全部全部伝わればいいのに。

「ザックス、…お帰り。」

涙でぐしゃぐしゃになった顔と引きつる声でなんとかそれだけを絞り出す。

「うん、ただいま。」

ぎゅっと、力強く抱き締められて体が震える。

「ただいま、クラウド。」



******ZC.おかえりなさい



ありがとうもごめんなさいも、今の俺達には必要ないよね。
無粋な話は後でじっくり。
今は只、再会出来た喜びだけに此の身を浸そう。

が、コンセプトのザックラ。

2009/07/16(Thu) 13:27 

◆Z+C.何色ですか? 



「貴方色に染まりたい。」

「…は?」

「って、言われてぇえ!」

「…バッカじゃないの。」



******Z+C.何色ですか?



妄想族ザックスとその友人。

2009/07/16(Thu) 00:01 

◆現パロ6.そんな日常5 



「クラ先輩!」

「ティーダ?」

大型スポーツショップの中の一角。早朝ランニング用のウェアを物色していると、陳列棚の奥から見慣れた顔がひょっこり現れた。

「やっぱ先輩だった。こんなトコでどうしたんスか?」

こういうトコいるなんて珍しいっスね、なんていつもと同じ脳天気スマイルを貼り付けて棚を回り込んで同じ列に移動してくる。
その手には部活で使うのだろう、腕や膝に使うサポーターを持っていて。
俺は手にしていたブルーのシャツを元の場所に戻しながらその問いに答える。

「ザックスの付き合い。」

「あー、会長って確か…。」

「陸上部だよ。」

「そうそう!」

「ま、今日はソレ関係ないんだけどな。」

俺は肩を竦めて息を吐く。
最近のザックスはバッツ先輩に誘われたサーフィンにご執心なのだ。
先週の日曜日も、朝早くからボードを持って近くの海まで出掛けていた。
クラウドも来いよ、と朝早くから叩き起こされて睡眠時間を削られた恨みを、実はいつ晴らそうかと画策しているのはザックスには秘密だ。
かくいう彼は今、サーフィン用品を前に何を買おうか悩んでるところだろう。

「そういうティーダは部活の買い物か?」

「そうっス!今使ってる奴がボロボロんなったから買い替えようと思って。」

「本当に部活熱心だな、お前。」

「だって楽しいからさ!部活は生きがいだって。」

「ま、怪我には気を付けろよ。」

「りょーかいっス!」

先日、血だらけになりながら生徒会室に現れた姿を思い出してそう声を掛けた。夢中になり過ぎて注意力が散漫になったり、周りが見えなくなるところがこの後輩とザックスとの共通点だなと思いながら腕時計に視線を落とす。
時刻は18時を過ぎた頃。
もうしばらくすれば夕食時だ。

「ティーダ、このあと暇か?」

「そっスね、この辺のショップぶらぶらして帰ろうかと思ってたぐらいだから。」

「なら、一緒にどこか食べに行かないか?」

「行く行く!」

「奢る。」

「マジっスか?」

「ザックスが、ね。」

ふふふ、と笑った俺にティーダは苦笑する。
会長って絶対尻に敷かれるタイプっすよねー、などと後輩から言われていたことは、ザックスには黙っていよう。




******そんな日常5




結局ティダは何部だっていう話。
クラは毎朝ランニングを欠かしません。低血圧だけど頑張るのです。
そんなクラは帰宅部なんですけれども、ね。

2009/07/15(Wed) 11:04 

◆学パロ5.そんな日常4 



「…クラウド。」

「何?」

「オレもう限界。帰ろうぜ?」

「1人で帰れば。」

「冷たっ!」

日差しも傾き掛けた午後三時。耳に届くのは、遠くの喧騒と紙を捲る音、女の子達の囁き合う声と小さな笑い声。
そんな中に混じって酷く力ない声が隣から聞こえてきて、俺は内心溜息を吐いた。

「こーゆう場所嫌いな癖に、勝手に着いて来たのはザックスだろ。」

「試験崖っぷちなんだって。」

「じゃ、勉強すれば。」

場所は図書館。数冊の参考書を広げて期末の範囲を復習するために訪れた筈なのに、先程から1ページも先に進まない。
その原因は今、机に突っ伏しながら上目遣いに俺を眺めていて。
そいつは手にしたシャープペンシルを器用にクルクルと回転させつつ、反論を返してきた。

「もう充分しただろ。」

ザックスの言う充分とは、高々期末範囲数ページ分にしかならないのだろうか?
俺よりも進んでいないページ数と空白の多いルーズリーフの冊子を眺めながら、持っていたカラーペンを置く。

「ザックス。」

「ん?」

「追試に賭けなよ。」

「え、期末は諦めろって?」

「あれ、クラウドにザックスだ。」

俺が冷たい視線でザックスの肩を叩いて最後通告をしていたら、後ろから聞き慣れた声に名前を呼ばれた。

「オニオン…に、セシル先輩。」

「ふふ。ザックスがこういう所にいるなんて珍しいね。」

その声に振り向けば、制服姿の二人が数冊の本を片手にこちらに近づいてきているところだった。

「先輩、オレもう限界。」

「うん、そんな顔してる。」

「ザックス、期末大丈夫なの?」

そんな二人にザックスが呻き声を上げれば、セシル先輩とオニオンが苦笑しながらそう言ってザックスを見やった。
二人の言葉に、俺はすかさず答えを返す。

「ああ、駄目だね。」

「って、何でクラが答えんだよ!?」

「ザックス、シーッ!」

「図書館では静かにしてっ」

オニオンの言葉にさらりと答えた俺の台詞にザックスが突っ込む。

そして。

いつものノリで声を張ったザックスを待ち受けていたのは、周りからの冷たい視線と、オニオンとセシル先輩からの厳しい制止の声だった。




******そんな日常4




そしてオニオンとセシル登場。
オニオン→元生徒会書記
セシル→元生徒会会計

オニオンはクラ、ザクスと同い年。
セシル、フリオ、バッツ、ライトは一個先輩設定です。

2009/07/14(Tue) 23:49 

◆学パロ4.そんな日常3 



「クラ先輩に会長!日曜日暇?一緒にゲーセン行かないっスか?」

生徒会室の長机に雑誌を広げてザックスと他愛のない会話を交わしている最中。ティーダから最近出来た大型アミューズメント施設の話題を持ち出して一緒に行かないかと誘われた。
どうやらジタンやスコールと既に行く約束をしているらしく、二人も楽しそうな顔をしてこっちを見ていて。

「ティーダ悪い。その日は用があるんだ。」

雑誌から顔を上げてその申し出を断れば、隣から驚きを含んだ声が耳に届いてきた。

「あ、何お前もしかして剣道部の試合見に行くの?」

「行くの、じゃなくって、ザックスも行くだろ?」

「オレ?生憎日曜日は先約が…。」

「どうせレノと出掛けるだけだろ。ナンパしに行くぐらいなら来い。」

「青春には潤いが必要なんだぜ!?」

「問答無用。」

「剣道部、って、知ってる奴でも出るんスか?」

俺とザックスのそんなやり取りに慣れてるのか、うなだれてるザックスの事はスルーしてティーダは首を傾げながらそう聞いてくる。

「ああ。前に生徒会長やってた人が出るんだけど、次勝ち続ければインハイ決まるんだ。」

先日行った壮行会で選手代表の挨拶をしていた姿を思い出す。高校生とは思えないぐらい堂々とした言動には、相変わらず眩しさすら感じた事に笑みをこぼす。
今も昔も、心底尊敬できる数少ない先輩の一人だった。

「あ、俺知ってる。剣道部主将のウォーリア先輩だ。」

「ああ、あの。迫力のある挨拶の…」

ジタンとスコールが互いに顔を見合わせて確認し合う。

「え、オレ知らないんだけど。」

「ティーダ休んだじゃん、その日。」

「夏風邪でな。馬鹿しか引かない。」

「スコールうっさい!」

「なぁクラ、オレ行かなきゃダメ?」

後輩三人の喧騒を背に、なんとも情けない声が聞こえてきて、俺は思わず息を吐いた。

「ずっとお世話になってただろ?その恩返しだと思って、行こう。」

ザックスがこうまでして行きたくない訳は分からないでもないが、今回ばかりは譲れない。
俺は出来るだけ優しい声でザックスを促した。

「ぅぅう、んーっ!しょうがない。行くっ、んで、お前等も来い!」

「「「は?!」」」

「よし、生徒会総出で応援だ!決まり!」

「「「ちょっと待った!」」」

「…ま、行く気になってくれたんなら何でもいいよ。」

無茶苦茶言い出したザックスと、ザックスの発言に反論を返す後輩の姿を眺めながら、俺は小さく肩を竦めた。



******そんな日常3



ザックスが行きたくない理由は苦手な人物が剣道部にいるから。

ウォリア→元会長で剣道部部長

2009/07/12(Sun) 21:49 

◆学パロ3.そんな日常2 



「お、クラウドはっけーん!」

「おいこら、バッツ!逃げるな!!」

「やっべ、行くぞクラウド!!」

「…は?」

台詞の割に酷く明るく楽しそうな声が廊下に木霊した。と同時に、腕を捕まれて思いっきり引っ張られて。

「ちょ、何なんですか!?」

「のばら、まったなぁ!」

「バッツ!」

背後からフリオニール先輩の叫び声が聞こえたけれど振り向いてる余裕はなかった。
俺の腕を引いてどんどん進んでいくバッツ先輩の背中を訳が分からずついていく。

「バッツ先輩!」

「クラウド、ラーメン食べに行こうぜ!こないだ美味いトコみっけたんだよー。」

まるで先程のフリオニール先輩のことなどなかったみたいにそう言って振り向いたバッツ先輩は、本当に楽しそうで。
そんな顔を見てしまったら断るなんて出来なくて。

苦笑しながら頷くと、バッツ先輩は「やった!」と言って空いてる方の手で拳を振り上げた。

「でも、大丈夫なんですか?フリオニール先輩は。」

「平気へーき!それにオレ、今ラーメンの事しか頭にないもん。つーことで、級長のオレは閉店休業中です、ガラガラ〜。」

ケラケラ笑って扉を閉める真似をするバッツ先輩。俺はその姿を眺めながら、ああそういえば、とフリオニール先輩の慌てようの理由に思い至った。
確か、文化祭のクラスの出し物の原案提出期限が明日だった筈だ。
ギリギリになって話し合いをするクラスは意外と多く、ザックスのトコロも今日話し合う、と言っていた。
きっと、この人はその話をフリオニール先輩に丸投げしてきたんだなと思い当たってため息を吐いた。

「明日、絞られますよ。」

「あはは、知ってるー!」

「…全く。」

呆れた、と言って首を振れば、バッツ先輩はニシシと意地の悪い笑みを浮かべて俺を見た。

「クラスで何するかはもう決まってんだよ。ただ、それにのばらが納得してないだけ。」

「一体何するんですか?」

「秘密!」

「生徒会から許可が下りる範囲にして下さい。」

「クラウド、オレを誰だと思ってんの?オレ、元生徒会役員。」

「…知ってます。」

「絶対面白くなるからさぁ、クラウド達も遊びに来てくれよな!」

「ああ、そうですね。楽しみにしてますよ。先輩。」



******そんな日常2



バッツとフリオ登場。
バッツ→元生徒会書記
フリオ→元生徒会副会長

違う話で2人を書いてたらデータ消えた。ちくそー!

2009/07/12(Sun) 12:58 

◆学パロ2.そんな日常 



「げっ、会長何する気っスか!?」

「や、この椅子邪魔臭くね?ちょっと退かそうと思って…。」

「わー!危ないからっ、つか絶対持ち上がんないから!」

生徒会室の片隅。いつもと同じ位置で日向ぼっこをしていた筈のティーダの悲鳴が部屋中に響き渡った。
その切羽詰まった声に振り向けば、この部屋で一番馬鹿でかいソファーの縁に手を掛けて持ち上げようとする見慣れた人物が目に入って。

「あーあ、また何か始めたぜ?」

「ジタン見るな。巻き込まれるぞ。」

「…五月蝿い。」

明日の生徒総会で使われる資料を纏めていたジタン、俺、スコールは、その騒ぎに目を向けることなく作業を続けた。
これで、今週何度目の悲鳴だろうか?
軽そうに見えて一番律儀で真面目なティーダは、度々ザックスの突飛な行動に巻き込まれては被害を被っていた。

「ザックスのするコトに一々付き合ってたら身が持たない。」

「あはは、クラウドひっでぇ!連れないねぇ、お前等幼なじみだろ?」

「だから、だ。最終的にどうなるか、身を持って知ってる。」

「…苦労してるんだな。」

「そんな感情込めて言うなよ、スコール。」

にしし、と意地の悪い笑みを浮かべたジタンがスコールの肩を叩く。
と同時に、少し離れた場所からドタンバタンとけたたましい音が響き渡った。

「ティーダ!お前ちゃんと支えてろよっ」

「会長が持ち上げすぎなんだって!バランス考えてからやってよっ」

「バランスって、お前の低い身長に合わせろって事か?」

「むっかぁ!その台詞、すっごい悪意を感じるっス!」

「あ、バレた?」

ガタガタッバタンッと、再び大きな音がしたかと思うと、これまた恒例のなんとも大人気ない取っ組み合いが始まった。

「あーも、五月蝿い!クラウド、何とかしてくれっ」

「何で俺なんだ。スコールでもいいだろ?」

「あの無法地帯に、可愛い後輩を送り込むつもりか?」

「…自分で可愛いとか言うなよ。」

ぎゃーぎゃー騒ぐ喧騒をBGMに、耐えかねたジタンが悲鳴を上げた。
しかし自分からあの中に入っていく気にはなれないらしく、縋るような目で俺を見てきた。
けど俺も、あんなややこしい中に割って入るのは嫌だ。なんとか矛先をスコールに向けようとしたけれど、どうやら失敗してしまったようだった。

「クラウド、頼む!」

「男を上げるチャンスだ、先輩。」

「……はぁ。仕様がないな。」

後輩2人の縋るような視線を受けて渋々頷いた俺は、2人に気付かれないようにこっそり溜息を吐いた。



******そんな日常



学パロ2段。
書けるときに書きましょう。思いついたら書きましょう。
そしてやっぱりぐだぐだっていう、ね。

2009/07/10(Fri) 21:36 

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